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Hitachi HD64400

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秋葉原のジャンク屋がどんどん減少していて寂しい限りですが、最近(といってももう一月半経っていますが)「神田装備」というところが新たに開店しました。先月行ったときの戦利品を数回にわたって取り上げたいと思います。


初回はこの日立のHD64400Y16です。

レジのところに中古PGAデバイスがあって、その中の一つです。Intel, Motorolaあたりのが多かったのですが、その中になんか見覚えのある型番があったので思わず買ってみました。

他にソニーだったかバイポーラで放熱用の塔のあるのもありました。あれいかにもな形状だったので買っておけばよかった...

で帰って調べてみたところHD64400 Graphic Data Processor(GDP)でした。HD63484 ACRTCの後継にあたるデバイスです。

ACRTCもGDPも『日立評論』に紹介記事が掲載されていますが、それぞれの著者4人のうち2人は同じ方なので同じチームで開発された可能性が高いと思っています。

この紹介記事によるとACRTCからGDPへはかなりの改良が加えられていますが、CAD等向けのベクタ描画中心という基本的な方向性は変わっていないように感じますね。

  • 動作周波数の向上(9.8MHz ⇒ 20MHz)・表示用メモリ容量の拡大(2MB ⇒ 512MB)
  • 扇形などの矩形以外の塗り潰し・多角形などの描画コマンドの追加
  • クリッピング・太線指定などの描画属性の追加
  • キャラクタ表示モードの廃止と文字描画コマンドの追加
  • 拡大縮小・回転しながらのコピー機能
  • MPUからフレームメモリへのアクセス・GDPからメインメモリへの直接アクセス機能

などなど、いろいろ面白そうなのですが...

ACRTCについては(何度も書いていますが)PC-8001mk2ユーザだった私にとっていつかグラフィックボードは作りたいと思っていてデバイスも資料も集めていたのですが、このGDPを知った頃には既にPC-286NOTE Fを入手していて作る意欲を失っていたのか特に資料を収集するでもなく型番だけが頭の片隅に残ったようです。

データシートはネットで探せば今でも見つけられますが、ユーザーズマニュアル・アプリケーションノートの類はすぐには発見できませんでした。ま、資料があっても配線量が膨大になるのでよほどの覚悟がないと作れないのですが...


表側ではサイズがよくわからなかったかもしれません。

135ピンのPGAパッケージ、100mil格子なので普通のユニバーサル基板に搭載可能です。

それにしてもピン多いですね。フレームバッファ用にアドレスが28ビット・データが32ビットあってこれだけで全ピンの半分近くを占めています。さらにMPUからのアクセス用のデータバスが16ビットあります。


ジャンク品なのでピンは曲がっていました。生きているのか怪しいのもボード作るのに躊躇する理由の一つですね。

以前HD642032で角のピンに円盤状のものがついていると書きましたが、このHD64400にも同様の円盤がついています。前回は剥がれたランドかもと疑っていたのですがそんなわけないですね。これ基板との間隔を保つためのスペーサかな。

新品を見てみたい。金メッキだったのかな。

どこかに日立のHD68450かなにかがソケットに載った基板があったような、見つけたら抜いて見てみよう。

参考文献・関連図書: 
HD64400データシート, Hitachi.
武田博ほか(1988)「グラフィック データ プロセッサ"HD64400"」,『日立評論』1988年12月号, pp.35-42, 日立評論社.
桂晃洋ほか(1984)「グラフィック ディスプレイ コントローラ ACRTC "HD63484"」,『日立評論』1984年7月号, pp. 43-46, 日立評論社.

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