2024-02-04 21:35 — asano
ZZ86のマニュアルと一緒にこんなものも発見されていました。
タイトルから想像するにカシオ計算機のV-900なるBASIC搭載機があって、それ用のマニュアルのようなものなのでしょう。
聞いた記憶の無い機種なので検索してみたところ、カシオ公式サイトの「カシオの歴史」のところで「V-900」の名前を見つけました。1970年代のところに以下の記述があります。
1978(昭和53)年7月
パーソナルコンピュータ「V-900」販売開始(出荷8月)
1978年7月ということはPC-8001より約1年、MZ-80Kよりも数か月早い発売ですね。
残念ながら写真は見つかりませんでした。一体どんな形態のマシンだったのでしょう?
これは言語マニュアルであって取扱説明書ではないのでハードウェアに関する情報はほとんどありません。
CMTの動作制御文としてファイルをスキップするJUMP
や巻き戻しを行なうREWIND
などがあるのでCMTは内蔵していたのでしょう。
オプション装着時のステートメントとしてプリントモードの指定などもあるのでプリンタも装着できたようですね。
うーむ、どんな外形だったのかますます見てみたい気がしてきました。
肝心のBASICについて気になった点をいくつか。
配列を用いて行列演算を行なうことができたようです。これはFOR
ループで自分で書かなくても、100 MAT T=TRN(A)
だけで転置行列が求められます。この辺りはカシオらしいと言えますね。
LINK
文という馴染みのないものが。これ変数を残したまま現在のプログラムの一部を消去してCMTからプログラムを読み込んで任意の行番号から実行する、というもの。これ後のN88-BASICのMERGE
文に近いですね。メモリが足りないときのオーバレイ用かな。
数学関数も充実しています。三角関数は通常 sin, cos, tan, atan くらいのところ、asin, acos, hsin, hcos, htan まで持っています。さらに角度も deg, rad, grad が切り替え可能です。さすが計算機のカシオといったところですね。
Comments
写真だけ発見
https://www.casio-calculator.com/Museum/Pages/VVV/V-900/Casio%20V-900.html
Re: 写真だけ発見
おぉ、ありがとうございます。
オールインワンだったのですね。電卓の延長と考えると自然なのかもしれません。
スペックも発見
https://archive.org/details/AllAboutJapaneseComputers/page/n22/mode/1up
Re: スペックも発見
最小構成で135万円とはかなり高価だったんですね。
9900AということはTIのTMS9900かな。
数値の範囲が10E±99というのもカシオらしいです。
Re: スペックも発見
5年後のお値段十分の一以下のFP-1000と数値の範囲が一緒ですが、C82 BASICの文法とどの程度違うのか気になります。
Re: スペックも発見
FP-1100のマニュアルは持っているはずなので出てきたら比較しようと思っています。
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