2019-09-18 23:41 — asano
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東芝製のこんなマイコンが手に入りました。
TMP90P802AP、あまり聞いたことの無い型番ですがTLCS-90という東芝の独自アーキテクチャのものです。
このTLCS-90の面白いところはアセンブリ言語のソースコードレベルでZ80そっくりなことです。バイナリの互換性はありませんが、ソースからアセンブルしなおせば移植は容易なのではないかと思います。
そもそもこれはパソコン的用途ではなく組み込みをターゲットにしていますから、バイナリ互換性は必要ないと考えたのでしょう。
むしろバイナリ互換性を捨てたことで変なしがらみを切り捨てたといえるのかもしれません。
命令にはCALR
(相対アドレスによるサブルーチンコール)のようなものが追加されてリロケータブルなコードが書けるようになっていたり、MUL
, DIV
といった近代的なものが追加されています。
アドレッシングモードも(HL)
, (IX+d)
といった見慣れたものに加え、(SP+d)
, (HL+A)
といったものが増えています。前者はC言語のスタックフレームなんかに使えそうですね。アドレス0FF00H~0FFFFHまでを短いコードでアクセスできる(n)
なんてのもあります。68系のゼロページみたいです。
さて今回入手したTMP90P802APですが、これ実はOTPROMタイプです。すでに生産終了して継続入手困難なOTP品を新規に使うのは無謀なようにも思えますが、ちょっと回避できそうな可能性を感じたので買ってみたのです。
TMP90P802Aのデータシートを見るとEAという信号があります。これはExternal Accessの略で、「Connects with VCC pin.」とあります。
一方でこのファミリにはTMP90C840, TMP90C841というものもあります。840の方はMask ROM品、841はROM無しです。これのデータシートによるとEAは「External access: Connects with Vcc pin in the TMP90C840 using internal ROM, and with GND pin in the TMP90C841 with no internal ROM.」とあります。
これらからこのEAピンをGNDに接続すればTMP90P802APも外部ROMで動くのではないかと期待しています。
仮にこれが駄目でも、外部メモリ空間を有効にしてジャンプするだけのプログラムを書き込む方法も考えられます。
それも失敗したらTMP90C841を入手するしかありませんが、これは64ピンのシュリンクDIPなのがちょっと嫌ですね。
裏側は特に何もありません。右のピンに「2W」とあるだけです。
EAピンだけで動いてくれるといいなぁ。早く試さないと...
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