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DC-DCからモクモク


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ちょっと思い出したので今回は大昔の失敗について書いてみたいと思います。

2716 (持っていたのは東芝のTMM323)用のROMライタを作っていたときのことです。
今のFlash ROMは5Vや3.3V単一電源のみで書き込めますが、昔のUV-EPROMは書き込み用に高電圧が必要でした。それも27256以降の12.5Vならパソコンのスロットから拝借する(PC-8001mk2では+12Vが供給されていましたし、個人的な書き込みなら0.5Vの差は無視しても一応書き込めます)手もあるのですが、その前の2764, 27128では21.3Vが必要だし、このときの2716では25Vが必要でした。
もっと古い1702では50V近い電圧が必要(電源だけでなくロジックラインも!)だったらしいですが、私は経験ありません。

さて25Vともなるとさすがに自分で作るしかありません。ということで参考にしていた記事どおりにTL497でDC-DCコンバータを構成します。このICは出力電圧を抵抗で分圧して内部の基準電圧と比較することによって出力電圧を決めているので、この分圧用の抵抗は外付けになり、欲しい電圧によって値を決めることになります。

このとき電圧の微調整が出来るように上側の抵抗と直列に可変抵抗(VR)が入れてあったのですが、最初に調整しなくてはなりません。
ROMは挿さずにテストプログラムでプログラム電源(Vpp=25V)をONして、テスターで電圧を見ながらVRを調整していくのですが、ちょっと回しただけで電圧がどんどん上がっていきます。
当時私はまだ中学生だったと思うのですが、好奇心と言うか、若気の至りと言うか、どこまで上がるんだろうとVRを回していったのです。
それにあわせて電圧も上がっていき、70Vくらいで飽和したかと思うのですが、ずいぶん出るんだなぁと感心していたらICの裏側からシューっと蒸気のような煙のようなモノが噴出してきました。

今TL497のデータシート確認したらOutput Voltageの絶対最大定格は35Vなので、そりゃ壊れてもおかしくないわけですね。

当時チェックしたら確かVRの値が予定の10倍だったと記憶しています。VRを正しいものに交換し、TL497も交換です。
ソケットに実装していたのですが、ソケットも一部溶けて変形してしまったのでこれも交換する羽目になりました。
ICの方も裏側に溶けた穴ができていましたね。

  • VRの値を確認しておけば
  • 想定以上に電圧が上がり始めたときにおかしいと思って止めていれば

こんなことにはならなかったんですけれど...
でも被害も少なかったし、いい経験をしたと思えなくも無い出来事でした。


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