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16k SRAM


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今日はSRAM、8ビット幅初期のモノです。


最初は日立のHM6116LP-2です。2k×8bit構成で、小さなマイコンシステムではRAMはこれ一つで済みます。2kバイトもいらないからといって小容量のものを選ぶとたいてい×1や×4bit品なので複数個必要になってしまいます。

初めて作ったマイコンボード(⇒Z-80ボード 1号機)のRAMも確かHM6116LP-3でした。1983年当時で一つ1,000円以上して、単価の最も高い部品だったはずです。


これは東芝のTMM2016P、ビット構成は同じく2k×8bitです。

汎用SRAMで8bit幅構成のもの(少なくとも個人が買える一般的なもの)はこれら16kbit品からでした。これより前によく使われた4kbitの2114は1k×4bit構成ですし、1kbit品だと2101(256×4bit)や2102(1k×1bit)などがありました。
DRAMも昔は×1bit品が普通で、64kbitくらいから×4bit品も作られるようになりました。今では×32なんてのも普通にあります。

さてRAMのbit幅はいくつが一番使いやすいでしょうか?

ピン数の観点で考えると、bit幅を倍にするとデータピンの本数が倍になって、アドレスピンの本数が1減ります。bit幅を小さくしたほうがピン数が減るのでパッケージを小さくできます。でも現在のようにSOP, BGAなどが使えればこれは問題ないともいえます。

回路設計者の立場ではバス幅より小さいと複数使用する必要があります。逆にバス幅より大きいと余った分を無駄にするか、回路を工夫することになります。世の中のバス幅は8の倍数がほとんどなので8bitというのは悪くない選択だといえるでしょう。SDRAMの場合はPCでの使用を想定しているので8bitや16bitはあまり考慮する必要が無く、32bitなどが採用されるのでしょう。

では初期のRAMに×1bitや×4bitが多かったのはなぜでしょうか?

私見ですが以下のようなことだったのではないかと想像しています。
最初期の1kbit時代を考えて見ましょう。
まずパッケージはDIPしか考えられない時代ですから、ピン数を少しでも減らしたかったというのはあると思います。
またいくらメモリが貴重だった時代とはいえ128バイトのRAMは少なすぎますから、多数並べて使うことになります。×1bit品を8つ並べて8bitにするためには並列に繋ぐだけで済みます。でも×8bit品を使う場合はアドレスをデコードしなくてはならなくなります。つまり容量的に多数並べなくてはならないのなら×1bit品のほうが使いやすかったのではないでしょうか。

ということで16kbit品に話を戻すと、このあたりから1つで必要容量を賄えることが多くなったので×8bit品が出始めたのかなと想像しているわけです。

2016.11.06 追記:
uPD4016C-3
NEC製のμPD4016C-3が出てきたので写真を追加します。

参考文献・関連図書: 
HM6116 Series データシート, Hitachi.
uPD4016データシート, NEC.

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