2016-11-19 23:17 — asano
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これは沖電気製のMSM81C55です。
このMSM81C55はインテルの81C55のセカンドソースの一つ、81C55はもちろん8155のCMOS版です。
8155は8085のシステムを少ないICで構成するためのもので、256バイト(kでもMでもありません)のRAMと22ビットのI/Oポートと14ビットのタイマカウンタを1つのパッケージにまとめたものです。
ピン配置は以下のようになっています。
名称 | ピン | ピン | 名称 |
---|---|---|---|
PC3 | 1 | 40 | Vcc |
PC4 | 2 | 39 | PC2 |
TIMER IN | 3 | 38 | PC1 |
RESET | 4 | 37 | PC0 |
PC5 | 5 | 36 | PB7 |
TIMER OUT | 6 | 35 | PB6 |
IO/M | 7 | 34 | PB5 |
CE | 8 | 33 | PB4 |
RD | 9 | 32 | PB3 |
WR | 10 | 31 | PB2 |
ALE | 11 | 30 | PB1 |
AD0 | 12 | 29 | PB0 |
AD1 | 13 | 28 | PA7 |
AD2 | 14 | 27 | PA6 |
AD3 | 15 | 26 | PA5 |
AD4 | 16 | 25 | PA4 |
AD5 | 17 | 24 | PA3 |
AD6 | 18 | 23 | PA2 |
AD7 | 19 | 22 | PA1 |
Vss | 20 | 21 | PA0 |
ピン8がCEの代わりにCEとなっている8156というのもあります。イネーブルピンの極性違いがラインナップされているのはアドレスデコーダを省略できるようにするためです。
例えば8085(CPU)のアドレスA15を8156のCEに接続したとしましょう。RAMはアドレス8000HからにマップされI/Oデバイスはアドレス80Hからにマップされます(盛大にイメージがでますが)。適当なROMのCEにもA15を接続すればROMはアドレス0000Hからにマップされ、アドレスデコーダ用のICが不要になります。こんなところにも少ないICでシステムを構成するための工夫がされていたのです。
RAM容量が256バイトというのも絶妙だなと思いますね。この手のデバイスを必要とするのは小規模な組み込みがメインなわけで、そもそも大容量のRAMはあまり必要としません。それに8085のバスはマルチプレクスでアドレス8ビットまでは余分なアドレス線が必要ありません(データバスと共通なのでRAMがなくても必要)から、その範囲でRAMを搭載したのでしょう。I/Oポートの本数を減らさなくてすみますから。
以前PC-8201やTandy 200のところでこの81C55を場違いなデバイスのように書いたのは、以上のような特徴をまったく生かしていないように思われたからなのです。
これはPC-8201に使われていたものです。
これはTandy 200に使われていたものです。
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