2017-07-16 21:55 — asano
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今日は分解編です。とりあえずオプションのプロッタプリンタとデータレコーダを外します。
それぞれ背面のネジを2本外せば取れますが、メイン基板に線が繋がっているので注意が必要です。取り付けるときも線を挟まないようにしないといけません。
線を使わずユニットをはめ込めば接続できるようにした方が増設は簡単になるのに、あえてこうしているのには理由があるはずです。パッと思いつくのは基板に力がかかるのを防ぐためしょうか。
さらにトップカバーも外しました。プロッタとレコーダの下にもネジがあるので忘れないようにします。ツメもかなり効いていました。
キーボードは鉄板で補強されている機種が多いですが、このMZ-700は樹脂製です。
左奥は電源、右奥にある箱はRFモジュレータです。電源は+5Vのみのようですね。
キーボード・RFモジュレータを外すとメイン基板の全貌が見えてきます。シルクの向きとICマーキングの向きがなぜか逆になっていますね。
左上にRESETスイッチとボリュームが見えます。その右のカードエッジはフタで隠されていたプリンターのコネクタです。すぐ下には大量の抵抗が並んでいますね。下のSN7417Nはオープンコレクタバッファなので外部ポートのドライバです。
「TO PRINTER」と書かれた2つのコネクタはプロッタプリンタへのもの、外付けプリンタとの切り替えはスライドスイッチのようです。
「ROM(MONITOR)」とあるのはM5L2732K、4k×8bitのUV-EPROMです。MZシリーズはクリーンコンピュータなのでROMは最小限のモニタやローダのみなのでこの容量で済んでいるのです。
これは今では当たり前ですが、当時はBASIC処理系をROMで搭載するのが一般的でした。当時の外部記憶装置はまだテープが主流だったのでこの思想は時代を先取りし(すぎ)ていたとも言えます。他のメーカの機種なら電源ONですぐ使えるのに、テープからBASIC処理系をロードするのに待たされるわけですから。
MB8264-15は64k×1bitのDRAM、8つで64kBのメモリを構成しています。
中央上のカードエッジはI/O BUSのコネクタです。すぐ下の白いコネクタは内蔵データレコーダへのものです。
LH0080AはZ80A CPUのSharp型番ですね。直付けになっています。
右の茶色のコネクタには「TO COLOR ENCODER」とあります。RFモジュレータと思っていたものはエンコーダだったのですね。もちろんRFモジュレータの機能も含まれていますよ。
下にいくとμPD8255AC-5とμPD8253C-5もいます。NECのPC-8001~PC-9801のシリーズが周辺デバイスの見本市のようにいろいろ使っているのとは対照的にこの2つだけです。しかも自社で作っているZ80 PIOやZ80 CTCは使っていないのです。
一番下はキーボードへのコネクタです。幅はμPD8255AC-5と同じくらいで20ピンしかないので2.54mmピッチです。
右上に行くとジョイスティックのコネクタが見えます。5ピンが2つってどういう配線なんでしょう? この時代にシリアル伝送なはずは無いし、上下左右とGNDで5ピンだからトリガが入らない...
と思ったらアナログみたいです。X軸・Y軸にトリガ2つとGNDで5ピンということか。
下の方にいくと唯一の表面実装部品 M60719がいます。シルクも「CUSTOM LSI」って...
TMM2016P-1は2k×8bitのSRAM、これが2つということはテキストVRAMとアトリビュートでしょう。CPU以外に表示用のアクセスもあるのでメインメモリからは取りづらいはずだからです。
すぐ横に「ROM(CG)」があることからも間違いないでしょう。
このような基板の解説はデバイスの機能から想像して書いていますが、この時代の機種なら昔のI/O誌かASCII誌あたりを探せば全回路図が出てくるように思いますね。
外したデータレコーダ、コネクタには未使用が多いですね。
これは外したプロッタプリンタです。
どちらも背面側から2本のネジだけで固定されていましたが、手前側は2つの穴で引っ掛けているだけです。
このあとは「起動編」と行きたいところなのですが...
まず水平15.75kHz対応のモニタを何とかしなくてはなりません。これはコンポジット出力があるのでHDMI変換できないか試してみようと考えています。
もう一つのほうが問題で、クリーン設計のせいでテープが無いとほとんど何もできません。本体と一緒にいくつか入手したと思うのですが、何があるのか、そして今でも読めるのか。
道は遠そうです。
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