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点灯管


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Twitterで点灯管の話題があったので手元のをバラしてみました。

点灯管 FG-1E
犠牲になったのはこのFG-1Eという10W~30W用のものです。

以前は中が見えるものが多かったように記憶していますが、これは白い樹脂ケースに入っていて見えません。32W円形によく使われるものはアルミのケースに入っています。

口金のカシメを外すか樹脂を切らないと中身を拝めません。

最初パイプカッタで樹脂を切ろうとしたのですがうまく回せなかったのでノコギリで樹脂を切断しました。

樹脂部を切断
一周切断して管が出てきましたが残念ながら真っ黒になっていて中は見えません。

どうせ壊すのだからと使い古しだったのがいけなかったようです。中を見る方法はあとで考えるとして、口金から外してみることにします。

電球と同様に口金の先端と側面の2ヶ所がハンダ付けされているので外していきます。側面側は中の線の長さに余裕があるので先端からやると簡単に外れました。

本体
ここまでバラすと真空管ぽいですね。2本の線の間に飛び出ているのは内部にガスを注入して閉じた跡です。

下側は透明だったので中が見えるかと思ったのですが駄目でした。

なんとか見えた
仕方ないので強力なライトで透かしてみました。シルエットですが一応見えました。

右側が途中で接合してあるので、先端がバイメタルと思われます。

グロー方式の蛍光灯の点灯は以下のように行なわれます。

  1. 最初通電すると点灯管の左右の電極間で放電が起こります。
  2. 放電の熱でバイメタルが曲がり、接点が閉じます。放電が止まります。
  3. 接点が閉じることで蛍光管のフィラメントに電流が流れ熱せられます。
  4. バイメタルが冷めてくると元に戻り、接点が開きます。
  5. 接点が開いたことによる誘導電圧で蛍光管の放電が開始されます。
  6. 蛍光管の放電により点灯管にかかる電圧が下がるので、点灯管はもう放電しません。

もし蛍光管の放電が始まらなかった場合は点灯管が再度放電しこれが繰り返されます。蛍光管が古くなって放電が開始されないといつまでも点滅を繰り返すのはこのためです。

それにしてもこんなシンプルな管一つで余熱のタイマとトリガ、さらにリトライまで制御しているのはよくできていますね。

古い蛍光灯スタンドなどでONとOFFのボタンがあるやつはこの一連の動作を手動で行なっています。点灯管の代わりにONのボタンがあるので、数秒間押してフィラメントを余熱した後離すと点灯します。OFFのボタンは押している間電源が切れるようになっているので放電が止まり消灯します。消えていても蛍光管には通電されているので要注意です。

点灯管を使う方式は点灯に時間がかかるので嫌われてインバータ方式に置き換えられ、さらに蛍光灯そのものがLEDに置き換えられつつあります。この点灯管も先は長くなさそうです。

関連項目: 

Comments

蛍光灯の原理は気にしたことすらなかったのですが、バイメタルが使われていたとは。
バイメタルが身近に使われている例は、クリスマスツリーのランプぐらいしか知りませんでした。

クリスマスツリーは電圧が下がらないのでずっと点滅を繰り返します。
昔は炬燵の温度調整とかにもバイメタル使われていましたね。

情報ありがとうございます。

63Niの半減期は約100年、147Pmの半減期は約2.6年。
どちらもβ線を出すようなのでガラス管を開けようとはしないほうが良さそうですね。

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