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TI SN74LS362


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TMS9900を持っているし安かったので74シリーズの変り種(その4)で取り上げた74LS362を入手してみました。

SN74LS362N
Texas InstrumentsのSN74LS362N、この74シリーズの型番の他にTMS9900ファミリとしての型番TIM9904も表記されています。1981年のマレーシア製です。

TMS9900は12V振幅の4相クロックという面倒なクロックを要求します。それを一手に引き受けるのがこの74LS362です。

TMS9900を3MHzで動作させる場合16倍の48MHzの原クロックが必要になります。74LS362は発振回路を内蔵していますが、水晶を接続する2端子の他にタンク回路用の2端子を持っているのが特徴です。タンク回路にインダクタが必要なのがちょっと面倒ですね。

外部クロックで使うこともできますがデューティ25%の12MHz(4倍)のクロックを供給しなくてはなりません。内部の4分周器(デューティ25%を作っている)を使えないので同等の回路を外部に用意する必要があります。

これをさらに4分周して4相クロックを生成します。

TMS9900のクロックドライブ用の12Vドライバも内蔵しています。

ところで74シリーズの多くはTexas Instrumentsがオリジナルメーカですが、他社も同等品を製造しています。Texas Instruments社製のマイコン専用のこの74LS362も他社で製造しているところはあるのでしょうか?

『世界TTL/IC規格互換表』には各社の型番(初期には74LSxxxを含まない型番のメーカもありました)が一覧になっています。74LS362の項を見てみるとTexas Instruments以外は空欄になっていました。もちろんこれだけで他社が作らなかったと断言はできませんが、作っていた可能性は低いと思われます。

参考文献・関連図書: 
SN74LS362(TIM9904)データシート, Texas Instruments.
加藤剛正(1983)『世界TTL/IC規格互換表』万世出版.

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