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W65C02続報


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動かないまま保留しているWDCのW65C02ですが、先日efialtes_htnさんよりVihを満たせていないのではないかとのコメントを頂き、入力ピンの電圧を確認してみました。

  • BE, RDY, SOB
    これらはVihとしてVDD×0.7 = 3.5V以上を要求しますが、10kΩでVDDにプルアップされており問題ないと考えられます。

    実測でもそれぞれ4.98V, 5.00V, 4.98Vと問題ありませんでした。

  • D0からD7
    これもVihとしてVDD×0.7 = 3.5V以上を要求します。これをドライブするのはEMILY Board搭載のIDT7134のみ(R65C51も接続されていますが外しておいても結果は一緒)です。

    IDT7134もCMOSなので大丈夫と思い込んでいましたが、データシートを確認したところVOHは2.4Vまでしか保証されていませんでした。IOH=-4mAの条件なのでW65C02(+R65C51)だけなら動作するのかもしれませんが...

  • IRQB, NMIB
    これらはVihとしてVDD-0.4 = 4.6V以上と要求が厳しくなります。10kΩでVDDにプルアップされており問題ないと考えられます。

    実測でも5.00V, 5.00Vと問題ありませんでした。

  • PHI2
    これもVihはVDD-0.4 = 4.6V以上と厳しいです。

    ドライブしているのはSG-8002DCで、VOH = VCC-0.4V(IOH=-16mA)となっています。ギリギリですがIOHはずっと少ないはずですので実際は余裕あると思われます。

  • RESB
    これもVihはVDD-0.4 = 4.6V以上と厳しいです。

    EMILY BoardのATmega164でドライブしています。これは通常"H"のままになっているので簡単に実測できて4.94Vでした。

明らかにマズそうなのはデータバス(D0からD7)ですね。

EMILY BoardにIDT7134選んだ理由のひとつはバッファを付けなくて良いことだったのだけど、74HCT245あたりを載せないと駄目なのかな。

DPSRAMではないSRAMを使った場合EMILY BoardのマイコンからSRAMアクセスするときにターゲット側のバスに影響しないようにバッファ必須になります。

どこに入れるかも考えどころです。

他にもこんなVIH, VILの厳しいCPUがあることを考えたらEMILY Boardに積むのが良さそうです。

ところが今回の6502ボードのように他のペリフェラルを積んでいるとそれだけでは済みません。R65C51のVOHは2.4Vしか保証していないのでR65C51⇔W65C02間にも必要になってしまいます。

TTL⇒CMOSでよく使われるようなプルアップ抵抗で済むと楽なんですけど、どうでしょう?

参考文献・関連図書: 
W65C02Sデータシート, Western Design Center.
IDT7134SA/LAデータシート, Integrated Device Technology.
SG-8002DC/DBシリーズ データシート, Epson Toyocom.
関連項目: 

Comments

なるほど、それでWDCはCMOSインタフェースの周辺LSI W65C21S W65C22S W65C51S等を出してるんですね。

そうですね。他社もCMOSのは出してますがロジックレベルはTTLのようですから。
あと考えられるのは14MHzなどの高クロック対応でしょうか。

いえ、高クロック対応というよりか、低電圧対応だと思います。W65CxxSシリーズはVcc=1.8Vまで動作保証してますので、TTLインタフェースをあきらめたのでしょう。むしろ、W65CxxNシリーズが異端児?

なるほど、そっちか。
確かにデータシートには電源電圧ごとの値が書いてありますね。5Vで動かせるものは5Vでいいと思っていたのでその辺は読み飛ばしていました。

ということはデータバスのスイング広げるより(入力ピンにクランプ入れて)W65C02Sの電圧下げるほうが簡単なのかも。

試しに4.7kΩでプルアップしてみましたが動作に変化ありませんでした。
電圧は(アナログの)オシロを発掘するかPHI2 or RDYに細工をして止めないと測れないのでまだ未確認です。

R65C02とW65C02の判別方法をまだ思いつかないので優先度が下がっているのです。

RigolのMSO5074あたり買っちゃおうかな...

評価ボード(W65C02SXB)の回路図を見ると、RAM AS7C256A,Flash SST39S010を使っている。
スペックはRAM,ROMとも 出力はVIH2V台で W65C02のVthを満たしていない。
これで動作するのであれば、W65C02のVihが違ってるのかね?

W65C02のVihが余裕を持って高めに記載されているのか、
ROM,RAMのVohが低めに記載されていて実力ではもっと高いのか。

Vohは最大のIolを流したときの保証値なので実際はもっと高いことが多いです。
うちでも実測したら余裕ありました。
https://electrelic.com/electrelic/node/1371

アマチュア的なら実力値でも動けば良いけどね。メーカ(量産)なら評価ボードの設計はいかがなものか?
設計審査でNGが出そう。試作で動いたけど、量産したらトラブったなんてね。
関連のW65C51やW65C22はTTLコンパチとなっていて,W65C02と整合が取れていない。 なぜだろう?
W65C02の入力ピンをプルアップするのが簡単かな?

やはりW65C02のデータシートの記述が厳しすぎて
実力はもっと余裕があるんじゃないかなぁ。
評価ボードの設計者は当然非公開の情報知っているはず。

だからといって評価ボードの設計が好ましいわけではないけどね。

以前の仕事でI2CのVilでトラブったことありました。
設計変更するまでラインでスレッショルドを実測して選別(^^)。

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