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Motorola MC68008


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これはパソコンユーザには知名度の低いデバイスですね、兄にあたるMC68000が機種名に使われたりして有名なのとは対照的です。

MC68008P8
これはMC68008P8、「P8」はプラスチックDIPの8MHz版であることを示しています。

MC68008はMC68000のデータバス幅を16bit⇒8bitにすることによってパッケージを64ピンから48ピンに減らして小規模システムに使いやすくしたものです。データバスで減ったのは8ピンですがパッケージは16ピンも少なくっています。ピンの増減をまとめてみましょう。

  • データバスを16⇒8にして (-8)
  • データバスの上半分・下半分の区別が不要なのでUDS,LDSDS (-1)
  • アドレス空間を16MB⇒1MBに減らして (-4)
  • ワードアクセス⇒バイトアクセスになってA0が必要になり (+1)
  • 割り込み要求のIPL0IPL2を共通ピンにして (-1)
  • VMAを省略して (-1)
  • BGACKを省略して (-1)
  • 2本あったVcc(電源)を1本に減らし (-1)

上の4つは単純にバス幅を減らしたこととその影響ですね。
他の影響はどうでしょうか。
割り込みは1~7 (7はNMI)まで7レベルあったのが2,5,7 (7はやはりNMI)の3レベルになりました。小規模システムならそんなにいらないと判断されたのでしょう。
VMAは外部回路で生成可能なので省略したのかな。そもそも無くてもあまり困らない気もします。
BGACKもやはり小規模なら不要ということでしょうか。MPU以外のバスマスタが1つならいらないと思うのですが、M68000系でDMA使ったこと無いので自信はないです。

似たような位置づけのIntel 8088がIBM PCに採用されのとは異なり、MC68008の方はパソコンのような汎用システムにはあまり採用されませんでした。1バイト命令の多い8088とは違い、全ての命令が2バイト単位のMC68008ではバス幅を小さくしたことによる性能低下が大きかったのが原因かもしれませんね。

参考文献・関連図書: 
MC68008データシート, Motorola.
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