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BBD


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ちょっと珍しいデバイスが出てきましたので今回はそれについて書いてみたいと思います。


それがこのMN3208、8ピンですが少し変わったパッケージですね。14ピンの内側6ピンを抜いたようなものです。

これはBBD(Bucket Brigade Device)と呼ばれるオーディオ用の遅延素子です。原理は...... 大雑把にアナログ値を扱えるシフトレジスタといったところでしょうか。大量のコンデンサを並べて電荷を順に転送していくことからBucket Brigade(バケツリレー)と名付けられました。

MN3208は2048段でクロックは10~100kHzなので遅延時間は10.24~102.4msとなります。えっ、計算が合わないって?

2相クロックを用いて1つおきに空にしている(でないと転送できない)ためです。

振幅はアナログ値を扱えますが、時間軸はクロックでサンプリングされるので要注意。遅延を大きくしようとクロックを下げると帯域が狭くなってしまいます。

今ならA/D変換してディジタル処理した方が音質的にも自由度もよっぽどいいでしょうね。

せっかくなので動かしてみたいところですが、電源として5VのVDD以外に14/15VDDVGGが必要だったり、結構条件の厳しい2相クロックを要求したり、ちょっと面倒そうです。

当時はどうしていたんだろうと思ったら専用のクロックジェネレータが存在し、今でも入手できるようです。

ということで買ってみました。


MN3102、こちらは一般的な8ピンDIPです。

C, Rを接続するだけで発振し、必要なら外部クロックを入力することもできます。さらにVGGの生成機能もあります。

さて、具体的にどんな回路になるのかなとMN3208のデータシートの参考回路図を見てみたのですが......

何か変なことに気付きませんか?

MN3208のパッケージ形状とピン番号が180°違っているんです。

どれが正解なのか、データシート(の参考回路図以外)のピン配置図と参考回路図から読み取ったものを比較してみます。

ピン配置図 パッケージ形状から ピン番号から
1 GND GND VDD
2 CP2 CP1 CP2
3 OUT1 IN OUT *
4 OUT2 VGG OUT *
5 VDD CP2 GND
6 CP1 CP2 CP1
7 IN OUT * IN
8 VGG OUT * VGG
* 回路図からOUT1とOUT2を区別できません。

ありゃ、どれも一致しないですね。単純に向きを逆に描いてしまったわけではないということか。

何か別の資料を探さないといけなくなってしまいました。

参考文献・関連図書: 
MN3208データシート, Panasonic.
MN3102データシート, Panasonic.

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