2017-03-25 20:35 — asano
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80系ファミリのカウンタICも出てきました。
三菱のM5L8253P-5、Intelの8253 PIT (Programmable Interval Timer)の同等品です。「747106」がデートコードと思われますが、三菱のは読み方がわからないのでいつ作られたものかは不明です。
これはPC-9801シリーズやPCにも使われていた(PCには今でもこのICの機能は含まれているはず)ので、プログラムしたことのある人も多いかと思います。特にPC-9801シリーズではブザーの回路に使われていたので、変わった音を鳴らそうとすると避けては通れないデバイスでした。
ただ私はあまりこれを使った記憶がありません。
これも同じくM5L8253P-5です。こっちには「JAPAN」の表記がありますね。
この8253はスペックを見る限り16ビットカウンタが3チャンネルとバランスの取れた構成に見えます。
特徴としては50%周期の出力が得られる分周機能があることと、BCDによるカウントができることでしょうか。50%の分周器はシリアルのボーレートジェネレータ等に使用するときにありがたいです。Z80 CTCなどは極端なデューティーの出力なので後段に1/2分周器が欠かせませんでした。BCDカウントも今ならソフトで2進⇔10進の変換をして済ませますが、乗除算命令の無かった頃にはBCDでカウントできることにはメリットもありました。
後に改良版の8254というのもできましたが、あらためて相違点を探そうとするとすぐには出てきません。やはり両者のデータシート並べて比較するしかないのですかね? 少なくともクロックの上限が引き上げられてはいるようですが。
ここで有名どころのカウンタ・タイマICを比較してみましょう。
デバイス | ビット長 | チャンネル数 | 備考 |
---|---|---|---|
Intel 8155/8156 | 14 | 1 | パラレルI/O・256バイトRAMも搭載 |
Intel 8253/8254 | 16 | 3 | 本件デバイス |
Zilog Z80 CTC | 8 | 4 | |
Zilog Z80 KIO | 8 | 4 | Z80のCTC+PIO+SIO+クロックジェネレータ他を一つにした |
Zilog Z8036 Z-CIO | 16 | 3 | 20ビットのパラレルI/Oも搭載 |
Motorola MC6840 PTM | 16 | 3 | |
Motorola MC68230 PI/T | 24 | 1 | パラレルI/Oも搭載 |
MOS Technology MCS6522 VIA | 16 | 2 | パラレルI/O・簡易シリアルも搭載 |
こうしてみるとこの16ビット×3というのが普通の構成であるのがわかります。
パラレルI/Oと一緒の奴はちょっと「おまけ」感があり、数が少ないのはやむを得ないでしょう。あとZ80系の8ビットというのも特徴的にビット長が短いですね。
MC68230もさすが32ビットレジスタのMC68000のファミリ、(32ビットは過剰と思ったのでしょうが)24ビットと他には無い長さになっています。
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