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NEC V30


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V20を半年ほど前に紹介しましたが、これはその16ビット版です。

uPD70116C-8
V30の型番はμPD70116、これは8MHz版のμPD70116C-8です。マーキングによると1991年アイルランド製のようですね。

V30はPC-9801シリーズに1985年の「PC-9801U」から搭載され、その後80286/80386がメインとなった後もしばらくはサブとして搭載されていました。そのため日本国内では知名度の高いプロセッサでした。

サブといっても同時に動作して処理を分担できるわけではなく、メインの80286/80386とスイッチで切り替える方式です。ソフトウエアの互換性のためですね。

さらにV30を中心に周辺デバイスを集積したV50、(インテルとの訴訟もあって)マイクロコードをワイヤードロジックにして高速化を図ったV33、さらにV33に周辺デバイスを搭載したV53なども作られ、一大グループになりました。

V30自身はというとソフトウェア的にはインテルの8086に80186で追加された命令やさらにV30独自の命令が追加されています。あと特徴的なものとしては8080のエミュレーションモードが搭載されていたことですね。Z80エミュレーションでなかったのが残念ですが、CP/M-80を実行できるのはメリットでした。今ならソフトウェアエミュレーションするところですが、当時はそれでは8080実機より遅かったはずです。
ハードウェアは8086とほぼ互換で、条件がよければそのまま差し替えることが可能でした。PC-9801F2も一時期載せ替えていた気もします。おもな相違点はクロックのデューティで8086の1:2に対しV30は1:1になっています。

uPD70116C-10
こちらは10MHz版のμPD70116C-10、1990年の日本製です。

1990・1991年はまだPC-9801シリーズにも(サブとして)搭載されていた時代です。

CXQ70116P-5
最後は珍しいSONY製のCXQ70116P-5、5MHz版です。データシートを見る限り5MHz版と8MHz版のみで、CXQ70116P-10というのは無かった模様。


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