2017-11-14 17:11 — asano
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Am29F400Bでリバースタイプがあると書きましたが、あれはどういう構造になっているのでしょう?
思いつくものを挙げてみます。
- 中のダイがミラーになっている
ダイを製造する時のマスクを反転(CAD上でも光学的にでも)して製造しても動作はするでしょうが、おそらくこんなことはしないはずです。
(Z80 SIO/DARTのように)ボンディングオプションという形式がとられるのもダイを共通にすることのメリットがあるためでしょう。 - ダイにリバース用のパッドが用意されている
ダイの面積が大きくなるかも、コスト的には不利でしょう。 - ダイの外、パッケージ内で入れ替えている
線を入れ替えるには立体構造が欠かせませんが... たとえ可能でもコスト的には不利でしょう。 - ダイを裏返しに封入してある
フリップチップのようなことをすれば... たとえ可能でもコスト的には不利でしょう。 - ピンを逆に曲げている(封入後に裏返しているだけ)
リードフレームは平面なので封入後にピンを曲げますが、このとき逆に曲げればリバースになります。
私は最後の「ピンを逆に曲げる」が正解だと思っていましたが、今回調べていてこの説を補強する記述を見つけました。
日立の「カードでの両面実装を考慮し、逆曲げ品(リバース品)にも対応」の記述から何かの「曲げ方」によって作り分けていることがわかります。さらに富士通データシートには「正ベンド」「逆ベンド」の図もありました。
(富士通MBM30LV0128データシートより)
この図では内部のダイの向きまでは明示されていませんが、ピン(端子)の曲げ方であることはわかります。
これなら樹脂封入まではまったく一緒で、型番などのマーキングの面とピンの曲げる向きを反対にするだけで済みます。
ずいぶん前のことですが、試作基板でDIP ICのパターンを裏表に作ってしまい、仕方ないので下に曲がっているICの足を上向きに曲げ直して逆さに実装したのを見たことがあります。自分でリバース品に作り変えてしまったわけですね。
「PC-8201(分解編)」には量産品で裏向きに実装している例があります。足を曲げ直すのではなく基板に穴をあけてICをその中に落とし込んでいるのです。
これなどはリバース品の需要も多いでしょうから用意してくれればいいのにと思いますね。
参考文献・関連図書:
和田武史・関浩一(1990)「シリコンファイルへの道を開くフラッシュメモリの開発」,『日立評論』1990年12月号,pp.27-34,日立評論社
MBM30LV0128データシート,DS05-20885-1,富士通
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