2018-05-05 20:40 — asano
今回のものは「昔はこんなものを一般に売っていたんだ...」というデバイスです。
これはGIのAY-3-8500-1です。赤いマーキングというのも珍しいですが、よく見ると消した痕のようにも見えますし、型番だけというのも怪しいですね。
実は購入したのは去年、国内のショップからなので最近の悪意あるリマーク品とは違うと思うのですがどうでしょう? マーキングにはマージナルゾーンのようなものが見え、スタンプで押したような印象を持ちます。騙す目的ならもうちょっとそれらしくすると思うのですが...
さて型番からAY-3-8910 PSGやAY-3-1350 オルゴールに似ていることからサウンド関係と思われるかもしれませんが、違います。
データシートによると名称は「Ball & Paddle」、Pong のようなものとライフルのゲームが出来るテレビゲーム用のICなのです。1981年頃のトランジスタ技術誌の広告を見ると秋月電子・若松通商・亜土電子といった店でこのようなICが普通に売られていたことがわかります。
今ではゲームはソフトウェアで実装され簡単に入れ替えることができますが、この頃のものはハードウェアで実装されていました。異なるゲームをプレイするには丸ごと交換する必要があります。したがってICも多種類が存在し、GIだけでも以下のようなものがありました。
デバイス | 名称 | 備考 | |
---|---|---|---|
NTSC | PAL | ||
AY-3-8500-1 | AY-3-8500 | Ball & Paddle | 白黒※ |
AY-3-8550-1 | AY-3-8550 | Ball & Paddle (Two Axis) | 左右だけでなく前後移動が可能 白黒※ |
AY-3-8610-1 | AY-3-8610 | Superstar | 白黒※ |
AY-3-8710-1 | AY-3-8710 | Battle | 戦車同士の市街戦? 白黒※ |
AY-3-8760 | Cycle | オートバイ カラー? |
※のついているものは外部に専用のColor Converterを接続することでカラー化できるようになっていました。ビデオ信号は同期信号・パドル・ボールなどが個別に出ているので、白黒でよいならそれらを抵抗器で合成します。Color Converterはこの個別の信号を元に色をつけるというわけです。
Color Converter以外の部品は入手できたので動かしてみようと思っています。
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