2016-12-20 23:17 — asano
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正体不明の真空管が出てきました。
これがそうなのですが、文字等がすべて消えてしまっていて形式等はわかりません。
底のピンは以前紹介した12AX7Aと同じく9ピンで、高さは1.5倍ほどあります。といってもミニチュア管なのでガラスの部分が約75mmです。
珍しいのは高さではなく、天辺から線が出ていることです。よく大きな送信管などだとプレートが上から出ているものがありますが、これはどうもグリッドのようなんです。この辺りが真空管のよいところですね。ピン配置がわからなくても中が見えるのである程度見当をつけることができます。
プレートの場合は金属製のキャップのようなものが付いているものが多く、また固いピンが出ているのも見かけますが、これは細い線が出ているだけです。
ご存知のように真空管には寿命があって、交換するのが前提ですが、この線はどう接続していたのでしょう?
何かをバラして取り出したはずなのですが、もう30年以上(40年近いかも)昔のことなので、どう取り付けてあったのか憶えているはずもありません。
真空管のピンというのは特殊な金属で作られています。動作中はヒータで加熱されているので高温になり、電源On/Offのたびに大きな温度変化で膨張と収縮を繰り返すことになります。またその名の通り内部を真空に保つ必要もあります。
ピンはガラスを貫通していますから、ガラスより熱膨張係数が大きいと膨張によりガラスにヒビを入れる原因になります。一方小さいとガラスとの間に隙間を生じて真空度を下げる原因になります。そこで電球等もそうですが、ガラスと膨張係数の近い材料を使用することになります。
大きな管ですとガラスの外側に挿抜のためのピンやキャップがハンダ付けされていますが、ミニチュア管では太目の線を引き出してそれがそのまま端子になっています。ソケットに挿すための線は太いのですが、この上から出ている線は細いので気になります。
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