2018-05-10 22:25 — asano
今回はちょっと変わったシングルチップのマイコンを紹介しましょう。
IntelのQD8741Aです。パッケージの違いはサフィックスで表すところが多いのですが、Intelはプレフィックスで表していて「D」はCERDIPになります。その前の「Q」は何でしょう?
さて、この8741Aは8748シリーズと同じ命令体系のマイコンで1kバイトのUV-EPROMと64バイトのRAMを内蔵しています。I/Oデバイスとしては8ビットのタイマと18本のGPIO、そして8ビットのバスがあります。
ちょっと変わっているのは最後のバスなのです。
当然80系のバスなのでRD, WR信号もあるのですが、これらの信号は出力ではなく入力ピンです。
つまり外部のデバイスにアクセスするためのものではなく、外部のプロセッサからアクセスされるためのバスなのです。
プログラムされた8741はメインプロセッサに8255などのペリフェラルデバイスと同じように接続できることになります。一番有名なのはPCのATキーボードやPS/2インターフェイスに使われた8042がこの仲間です。比較的最近まで40ピンDIPがPCマザーボード上に載っていることがありましたが、あれがそうです。
関連するデバイスのバリエーションを下表にまとめてみます。
Family | UPI-41 | MCS-48 | |||
---|---|---|---|---|---|
ROM容量 | 1kB | 2kB | 1kB | 2kB | 4kB |
RAM容量 | 64B | 128B | 64B | 128B | 256B |
Mask ROM | 8041 | 8042 | 8048 | 8049 | 8050 |
UV-EPROM | 8741 | 8742 | 8748 | 8749 | - |
ROMless | - | - | 8035 | 8039 | 8040 |
UPI(Universal Peripheral Interface)というのがこの8741のように外部からアクセスされるバスを持つものです。外部にメモリを接続できないのでROMless品は存在しません。
Motorolaの68系にも類似のデバイス IPC(Intelligent Peripheral Controller)が存在します。マスクROM内蔵のMC68120とROM無しのMC68121がそれです。MC68121はホスト側のバスと自分用のROMやペリフェラル接続用のローカルバスでピンが埋まってしまっているのでI/Oポートは外部に設ける必要があります。
デートコード等は裏側にありました。1984年のマレーシア製のようです。
せっかくデバイスがあるのですが書けるROMライターが無いのでこれも塩漬け決定です。
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