2016-09-06 23:50 — asano
今回は80系のちょっと珍しいペリフェラル、8279です。
まずは東芝製のTMP8279P-5、1983年製でしょうか。Toshibaロゴが古いですね。
これは鈴商で8255の山の中に混じっていたように記憶しています。
これは日本電気製のμPD8279C-2、こちらは1984年製のものです。
どこで買ったのか記憶に無いのですが、スティックに2個入った状態で出てきました。一時期使いかけのスティックを買い漁っていたことがあるのでその時のものでしょう。
最後はZ80ボード3号機に使用中の三菱製のM5L8279P-5です。
さてこのデバイスの機能は何でしょうか? 名前からキーボードとディスプレイを接続するのは確かなようですが。
まずはキーボードの方から、今キーボードのインターフェイスといったらPS/2のようにクロック同期のシリアルでインテリジェントなキーボードと通信するかUSB(これも一種のシリアルですが)を想定しますが、ここで言うキーボードはもっと原始的なものです。つまり多数の押しボタンスイッチの並んでいるもの、です。最大で通常のキー(押すとコードが入力される)を64まで、シフトキーを2つまで制御できます。
もう一方のディスプレイもビデオではなくLED等の表示素子になります。一般的には7セグメントLEDを使用するケースが多く、その場合は最大32桁分まで制御できます。ドットマトリクスも不可能ではありませんが、8×16までになりますから実用的ではないでしょう。
どちらもある程度の数が必要(少なくてよければ8255などに直結すれば済みます)ですからマトリクスにしてスキャンすることになり、そのスキャンを自動的に行ってくれるのがこの8279です。他にもキーのチャタリング除去やFIFOバッファ等の機能も含んでいます。
大量生産する(ソフトウェア開発工数の比率がが相対的に小さくなる)なら汎用I/O+ソフトウェアのほうが安くなるでしょうから、少量生産向けのデバイスと言えるでしょう。インテルは何でこんなものを開発したのでしょうか?
MC6800, MC68000, Z80などの他のファミリには類似のデバイスは見当たりません。
ピン配置の特徴から8041系のワンチップマイコンで構成されているのではという説もありますが、どうでしょうか?
2016-09-10訂正:
8041とピン配置が合うのは8279ではなく8278でした。
私はずっと8279は8278の改良版だと思っていましたが違うんですね。
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