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Zilog Z8800


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またもやマイナーなCPUをいってみましょう。ZilogのZ8800というものです。

Z8800
これが20MHz版のZ8800、Z0880020PSCです。「ZILOG Z8」「Z0880020PSC」「SUPER8 ROMLESS」「SYSTEM ON SILICON™」「9215 DV」と賑やかなパッケージですね。

Z8800と書くとZ8001やZ8400(Z80 CPU)より上位のような気がするかもしれませんが、下位にあたるZ8シリーズの一員です。

Z8シリーズはZ80をシングルチップ化したものですが、ソフトウェアの互換性はありません。日本ではZ80のことを「ゼッパチ」と呼ぶことも多いので混同しないよう注意が必要です。

私はZ8の存在を知ってからZ80は意識して「ゼットハチマル」あるいは「ゼットハチジュウ」と呼ぶようになりました。

Z8にはZ86xxの型番を持つものと、Z88xxの型番を持つSuper 8と呼ばれるシリーズがありますが、これはもちろん後者になります。
Super 8では乗除算命令などが追加されていますのである意味Z80の上と言えないことも無いですが、登場時期が遅いせいでしょうね。

さて私は長らくこのZ8シリーズをショボいプロセッサ(失礼)と思ってきたのですが、今回デバイスを発見したのを機に調べてみたところ意外に使えそうだということがわかり、追加で購入もしました。
ソフトウェアについて、Z80と非互換ではありますがニーモニックも含めよく似ているのでZ80のプログラムができる人であればそれほど苦労せずに動かせそうに思えます。アドレス空間は64kBのプログラムメモリ、64kBのデータメモリ、そして256バイトのレジスタファイルがあります。プログラムとデータは区別せずに一緒にすることもできます。このZ8800はROM無しですが、品種によっては8kBのROMをプログラムメモリ空間に持っています。RAMは内蔵していませんが、スタックはデータメモリ空間にもレジスタファイル空間にも設定できるので外部にRAMを接続することなくシステムを構成することができます。
周辺デバイスも豊富に搭載されていて、8ビットのパラレルポートが5つ、DMAコントローラ、16ビットカウンタタイマが2つ、UARTがあります。タイマやUARTはよくありますが、このクラスでDMACまであるのはそう多くないと思います。
48ピンパッケージでもパラレルポートが40あり、当然兼用とされているので全てが自由に使えるわけではありません。特にROMLESSのものではROM用に少なくとも8本(ROMが256バイトでよいなら)使われてしまいます。64kBフルに使うなら16本、プログラムとデータの空間を分けるならさらに1本必要になります。割り込みやタイマ・UARTなどもそうです。でも逆に考えると、必要の無いピンはI/Oポートとして使えるということです。

ちなみにCMOS版のZ88C0020PSGは今でも現行品みたいです。

参考文献・関連図書: 
『Z88C00 CMOS Super8 ROMless MCU Product Specification』Zilog.

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