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Single In-line Memory Module


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これはSIMM (Single In-line Memory Module)、DIMM以前に使われていたものです。

上は30ピン、下は72ピンのSIMMです。機能上の大きな違いはデータの幅で、一時期30ピンSIMM4枚を72ピンSIMMスロットにつけるためのアダプタなどと言うものもありました。
30ピンSIMMのデータ幅は8ビット(パリティ付きは9ビット)です。ですから80386以上のPCで使う場合は4枚単位ということになります。この写真のものは3チップ構成なので、4ビット幅が2つと1ビット幅で9ビットのパリティ付きですね。左2つがM5M44400AJという1M×4bitのもので、右がM5M41000BJという1M×1bitのものです。
これに対し72ピンSIMMデータ幅は32ビット(パリティ付きは36ビット)です。写真をよく見ると中央のチップだけピン数が違いますね。中央のものがKM44C4105BK-6、その他のものがKM44C4104BK-6です。どちらも4M×4bitですが、中央の4105は1ビット毎にアクセスでき、他は4ビット単位でのアクセスになります。4105は明らかにパリティ用ですね。32/36ビット幅ですが8/9ビット単位のアクセスも必要なわけで、データ部分は4ビット×2で構成していますが、パリティは全体で4ビット品を共有しているわけで1ビット単位で書き込めないと困ったことになるわけです。読み出しは3ビットのデータを捨てるだけでよいですが、書き込み時はそういうわけにはいきません。Read-Modify-Writeをすれば不可能ではありませんが、複雑になるうえにパフォーマンスが低下してしまいます。

30ピンの方は裏面には何もありませんが、72ピンの方は裏面にもまったく同じ構成でチップが実装されています。ということは30ピンの方は1Mバイトのパリティ付き、72ピンの方は32Mバイトのパリティ付きということになります。

ところで写真を見ると両面に端子があります。数えてみると片側だけでそれぞれ30ピンと72ピンあります。それじゃ60ピンと144ピンなのか?
そんなことはありません。名称も「Single In-line」です。よく見ると端子の上のところに穴がありますね。これはスルーホールで表と裏は接続されていて同一の端子なのです。もったいない気もしますが、ソケットはどちらか都合のよい側だけ接触すれば良いというメリットもあります。

載っているチップもDIMMとは異なりSDRAMではないDRAMです。信じられないかもしれませんが、クロックの無い非同期回路です。


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