NE2000互換ボード(その1)

2025-06-15 23:50 — asano

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探していたNE2000互換ボードですが、部屋に置いてあった中身不明の箱を開けたところ4枚まとまって出てきました。古いものから順に何回かに分けて見ていきたいと思います。


使われているデバイスのデートコードが1992年から93年初頭なので1993年頃の製造と思われます。

PLCCが1つある以外はすべてDIP ICと時代を感じさせる構成ですね。


10BASE-5(AUI)と10BASE-2に対応しています。

私はもっぱら10BASE-2を使用していました。当時はまだHUBが高かったので同軸ケーブルとTコネクタだけで済むことは大きなメリットでした。


唯一のPLCC W89C901Pがネットワークコントローラ、ナショセミのDP8390をベースにしたもののはずですが軽く探した範囲では資料を見つけられませんでした。型番から察するにDP83901の互換品かな。

左に2つ並んでいるCXK5864CP-70LLはバッファメモリです。RTL8019ASのような新しいコントローラでは内蔵していますがこの頃はまだ外付けです。赤いシールには「Novell Labs Tested & Approved」とあり、まだNetWareが幅を利かせていたことが窺えます。

10BASE-2のBNCコネクタの横にあるNE8392ANはCoaxial Transceiver Interface、これ同軸との間を絶縁することができないのでボードの他の回路とは絶縁しなくてはなりません。

すぐに思いつくのは衝突検出のために直流電位を知る必要があることですが、他にもあるかもしれません。

信号は上にある16PT-005Bというパルストランスで絶縁しています。電源は上端にあるDC-DCコンバータで絶縁しています。

10BASE-5についてはトランシーバはAUIケーブルの先になるのでこのボードにはありません。パルストランスとDC-DCコンバータは10BASE-2と共用しているみたいです。

このあたりが同軸の面倒なところですね。10BASE-Tのトランシーバはパルストランスの手前なので後にコントローラと一体になりましたが、同軸のトランシーバは絶縁の必要からコントローラ内蔵にはできませんでした。


裏面に部品はありません。

最近の基板を見慣れているとビックリするくらいパターンが太いですね。

ISAバスPC互換機なかったけどX68000のNeptune-Xをいつか作ろうと、10Base-TのNE2000互換ISAカードは2枚だけ持ってます。

>唯一のPLCC W89C901Pがネットワークコントローラ
W89C840という100Base-TXのMACならありますが、W89C901Pは現行品のCPLDみたいです。
他にMACの石は載っていないようですし、CPLDでMACを組んだということでしょうか。10Baseだとそれほどの回路規模でない?
https://www.jotrin.com/product/parts/W89C901P

SOC内蔵100Base-TX MACのレイアウト設計の経験はありますが、とてもCPLD(not FPGA)に入るとは思えない。
PHYが大きくてMACだけ内蔵したけど、PHY外付けだとMAC+PHYの石を外付けするのとコストが一緒という落ち。

ちょっと気になって調べてみたのですが、W89C901はDP83901 Serial Network Interface Controllerの互換品と考えるのが自然に思います。わかりやすい電源ピンを追ってみると一致します。
MACの中身を見たことはありませんが私もCPLD(しかも30年前の)で何とかなるとは思えません。

Neptune-Xといえば個人で量産(200枚くらい?)した方の日記がネットにあって読んだ記憶があります。当時は個人相手の店で買うには多すぎ、代理店から買うには少なすぎで、部品調達しにくい数量だったとか。

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