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古のマイコン開発法(補足)


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その1その3までの「古のマイコン開発法」に少し補足しておきます。

これ「無いものは(道具も含めて)作る」のですけど、道具の無い状態では作るのは大変なので「とりあえず必要最小限」を作ってそれを道具にして自分自身を改善していきます。最終的には不要なものでも途中で必要なものは作るしかありません。

持っているものがあれば楽になります。

  1. ROM
    学校や職場などでROMライタを借りられればスイッチによる入力をする必要はありませんし、ROMライタも作る必要はありません。まぁプログラム変更の都度借りるのはあれなのでROMライタは作った方が良いかもしれません。

    モニタプログラムが書き込まれたROMというのも売られていた(MotorolaのMIKBUGを書き込んだMCM6830L7などが有名)ので使うのも手です。その場合、ハードウェアをROMに合わせて設計することになります。モニタROMではなくBASICインタープリタの入ったROM内蔵のプロセッサというものもありました。いずれもターミナルを前提としているので誰でも使えたわけではありませんでしたが。
  2. ターミナル
    テレタイプとかCRT式のとかあればキーボード・CRTインターフェイスを作らないですみます。

    ROMライタと違い常時使うものなので一時借りるというわけにはいきません。
  3. フロッピーディスクドライブ
    NECのPC-8031系のインテリジェントタイプのドライブがあれば少し楽になります。

    FDCは動かすのが結構難しい(決まった周期で転送する必要があり非力な8ビットCPUにはきつかった)のですが、PC-8031系なら簡単なI/Oポートを用意するだけでよくタイミングも気にしなくてよくなります。
  4. パソコン
    パソコン持っているならそもそも作らなくていいのではという話もありますが......

    経験してみたいとかより高性能なものをとか作る理由はあるものです。

    これがあれば最初からアセンブラも使えるし、ターミナルにもなるし、現在とあまり変わらない開発が出来ました。安価なROMライタは無かったのでこればかりは作るしかなかったかな。

さて、いろいろ書いてきた私はどうしたのかというと、幸いパソコンは買ってもらえたので楽なコースではあったのですが、やってみたくていろいろ寄り道しましたね。やはり本などを読んだだけと簡単なものでも自分で作ってみるのは違うと思っています。

Z80ボード1号機はスイッチ入力をやってみたくて作ったもの。今から思うと経験目的なら2進入力にすべきだったのですが、16進にしようと余計なアレンジをして苦労しました。これにはパソコンは全く使用していません。

Z80ボード3号機(実際には2台目のはず)はROM焼けるようになったので16進キーで作ったもの。ROMライタはPC-8001mk2に接続していました。これ作り始めた頃はFDDは持っておらず、ソフトウェア開発はBASIC環境のアセンブラ(I/O誌のEDASだったかな)を使用しました。

MC68kボードは16ビットマシンが欲しくて作りました。コンソールもフロッピーもPC-8001mk2のものを使う(サブプロセッサのように扱う)方式です。両者の接続は始めはシリアル、その後遅さに耐えきれず8ビット双方向のパラレル接続に変更しています。

RAMは最初SRAMの62256×2で64kB、CP/M-68Kのために62256×2を追加して計128kB、さらに256k SIMM×2追加して640kBになりました。メモリ空間に余裕があるのでDRAMを載せてもSRAMは使い続けてます。

このボードは一時パソコン的に使いました。というかソフトウェアの開発環境という意味では家で一番マトモだったといえます。

ビデオ関係は高校時代にV9938ボード(手元にはもうありません)作ってレイトレーシングしたり、フロッピーは何年か前にFDCボード作ったり、各要素はなんだかんだいじっているのですが、通しでやったことはないです。これからも道具なしでの開発をやることはないでしょう。


Comments

測定器は、マルチメータと自作のロジックチェッカだけだとある種の修行と化す。オシロやロジアナがあるとだいぶ楽。
電源の自作は、トランスをジャンクなどで如何に調達できるかが安く作れる鍵だった。コンデンサをケチるとハマる。
ユニバーサル基板は、錫メッキの紙フェノール基板で何度も配線の付け外しをしていると自壊する。金メッキ基板は憧れ。

以前マルツの在庫処分でIntel8051を100円+税で買ったら、Intel P8052AH-BASICだったが引き出しの肥やし状態。
聞いた話では、8bitマイコンのBASICインタプリタにしては非常に高速らしく、いつか動かしてベンチマークしたい。
あと、ちょっと前に出た6502の本に触発されて色々調べたんですが、Apple Disk ][ Driveの制御の仕方を知って驚愕。

デジタル(ストレージできる)オシロ買ったのは数年前なので、大半はテスタ+周波数カウンタのみで作っていました。確かに「修行」の側面はありましたね。行方不明にしたか壊したかでLEDと圧電ブザー(4040あたりを付けて)だけでデバッグしたこともあったかな。
電源は簡単そうに見えて奥が深いですね。中古のスイッチング電源が手に入るようになってからは使っていました。最近は秋月のACアダプタが多いかな。
紙フェノールの基板はすぐにランドが剥がれるので今でも嫌いです。金メッキはハンダ付けるのが恐れ多い気がして......

P8052AH-BASICはRAM接続すれば動くので、あアドレスラッチ必要なのがちょっと面倒かな。

Apple ][ はグラフィックもFDDも工夫の塊って感じです。

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