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NEC PC-8001mk2 (外観編)


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今回ご紹介するのはNEC製のパソコン、PC-8001mk2です。

PC-8001mk2
本体が別にあるのではなく、これが本体です。このようなキーボード一体型(キーボードの下にメインの基板が配置されています)は当時一般的なものでした。もちろん本体とキーボードが分離されている機種も存在していました。逆に本体にキーボードもモニタもカセットデッキも一体になっているものもありました。

基本的なスペックを挙げると以下のようになります。

CPU Z80 約4MHz NEC製のμPD780
ROM 32kB N-BASIC : 24kB + N80-BASIC用拡張 : 8kB
RAM 64kB BASICから使えるのは32kB
テキスト表示 最大80×25 桁数は36,40,72,80から選択、行数は20,25から選択
セミグラフィック表示 最大160×100 実際はテキスト表示の文字の代わりに2×4の大きなドットを表示
グラフィック表示 最大640×200 640×200はモノクロ、320×200ならドット毎に4色使用可能
サウンド ビープのみ

これは私にとって特別な意味のあるマシンでしたね。中学に入るときに買ってもらった、初めてのパソコンであり、BASICを覚えZ80アセンブラを覚え、Z80ボード 3号機MC68kボードの開発に使用し、その後はMC68kボードのI/Oとして活用しました。私のソフトウェアの知識の基礎はこのマシンでの経験が元になっており、それで20年間仕事(組み込みソフト屋)にしてきたわけですから、人生に大きな影響を与えたマシンと言えるでしょう。

当初のシステムはこのマシンのほかに、モニタは確かシャープ製の14M-112Cという14インチのカラーモニタ(残念ながら現存しません)、外部記憶装置としてはソニー製のTC-1100を使用していました。

PC-8001mk2 キーボード
キーボードは一般的なJISキーボードでしたが、ちょっと変わったところもあったのでいくつか紹介しましょう。

  • まずPC-8001mk2のキーボードといえば、TABキーの扱いでしょう。このキーはキーマトリクスの表に登場しません。BASICでもINP命令でアドレス00H~09Hを読めばどのキーが押されているか読めたのですが、このTABだけは普通ではありませんでした。何と、「CTRL」を押しながら「I」を押すという処理をハードウェアで行っているのです。
    このキーはベースとなったPC-8001には無かった(N-BASICでは「f•1」キーにTABが定義されていました)ので互換性を重視したのでしょうか。
  • これは今でもよくある話だと思いますが、キーマトリクスに逆流防止のダイオードがシフト系(同時押しが想定されている)にしかないので、3つ以上押すと想定外のきーが入力されることがありました。有名なところだとSPCと「, <」と「. >」を同時押しすると「f•5」が入力されるなどがありました。
  • GRPHキーは80H~9FH, 0E0H~のコードの文字を入力するためでハートとか罫線素片などが入力できました。
  • 左右のSHIFTキー、RETURNキーとRETキーは電気的に並列接続されているので区別して読み込むことはできませんでした。
  • STOPキーは誤操作防止のためか重く設定されています。
  • 「カナ」キーはメカニカルロックでしたね。
  • カーソルキーは「上下」と「左右」の2つしかありません。そのまま押すとそれぞれ上と右になり、下や左に移動するにはSHIFTと併用するようになっています。BASICでカーソルキーをよく使うのはプログラムの修正時なのですが、LISTコマンドで表示させるとカーソルは左下に来ます。そこから修正箇所に移動するには上と右だけでよくて、下・左はいきすぎた時戻るために使用します。修正したらRETURNを押さないと反映しないのですが、押せばカーソルは左端にいきます。そこから上下移動しようとすると表示が消えることがあったりで、またLISTコマンドで再表示することが多いのです。そんなわけで使用頻度を考えると2つのカーソルキーは意外に合理的だったのかなと思います。
  • チルダ等はキートップに書かれていませんが入力できますし表示もされます。ただしバッククオート(60H)は表示されません。入力できていたのか記憶に無いのですが、表示されなかったのは憶えています。フォント(キャラジェネROM)が空白になっていたはずです。

PC-8001mk2 背面
左右側面には何も無いので、背面にいきます。

左上のシーソースイッチは電源スイッチです。
右上には拡張スロットが2段あります。上の段は空いていますが、ここには自作の拡張ボードを入れていました。下の段に入っているのは8インチフロッピーのインターフェイスです。

左下の白いボタンはリセットスイッチ。確かCTRLを押しながらリセットすると初期化処理がスキップされてBASICプログラムを温存したままリセットできました。CTRLを押しながら電源を入れるとワーク領域の初期化がされないので正常に立ち上がらなかったと思います。
次の「COLOR」はカラーモニタ用のデジタルRGB出力です。PC-8091Kなどが使用できます。上にも書きましたが14M-112Cを接続していました。
「B&W」はモノクロモニタ用のコンポジット出力です。ビデオデッキ等への接続は保証されていませんでしたが、試した範囲では問題なかったと記憶しています。逆も可能でパソコン用のグリーンモニタ(環境に配慮したモニタではなく緑色に発光するモノクロモニタ)にビデオを繋いでも映りました。緑色でドラマ等を見ると変な感じですが。
「CMT」はカセットインターフェイス、わたしはTC-1100を接続していました。
「RS-232C」は言わずと知れたシリアル、最初は未使用でしたが後に色々繋ぎましたね。変換器を経由してPC-1350と繋いでプログラムのバックアップをPC-8001mk2のフロッピーに保存したり、PK-87Jでアマチュア無線のターミナルにしたり、MC68kボードではターミナルとして使ったほかPC-8001mk2のフロッピーをMC68kボードから使えるようにしたり、結構活躍しました。
となりのジャンパピンはシリアルのクロックの選択でした。
「MODE SELECT」に並んでいるスイッチは8つもありましたが、ソフトから読めるのは1~6の6つのみ、その内で使っているのは1つだけ、N-BASICとN80-BASICの切り替えでした。7,8は何だったかな?
右隣は「FLOPPY DISK」、36ピンのアンフェノールコネクタです。5インチや3.5インチのFDDのコネクタが34ピンですから、それがそのまま繋がっていると思うかもしれませんが、実際は全く異なっています。外付けのディスクユニットには制御用のCPUが内蔵されており、このコネクタにはそのCPUと通信するための双方向パラレルの信号が入っています。詳細はディスクユニットの紹介を書くときにしようと思います。
次の「PORT」もジョイスティックか何かに見えるかもしれませんが、全くの独自仕様です。単に余っているI/Oピンを出してあるだけといった感じで、対応機器を見た記憶がありません。
最後の「PRINTER」はアンフェノールの14ピンコネクタで、文字通りプリンタ用のパラレルポートです。信号を極限まで絞ってあるのでACKもありません。STROBEとBUSYのみでハンドシェイクします。

とりあえず外観編はここまでです。
次回は「分解編」を予定しています。


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