2016-07-21 03:02 — asano
MC68020は紹介済みですが、ペアになるFPU MC68881が出てきたので並べてみます。
右側が新たに発見したMC68881RC16Bです。16MHz品ですね。
MC68020のボードは作ったことがありませんが、MC68881は動かしたことがあります。MC68020用のコプロセッサということになっていますが、I/Oデバイスとしてで良いなら他のプロセッサにも接続できます。私はMC68010ボードで試しまして、そのボードもそのうち紹介できると思います。(2016-08-11追記:関連項目に追加しました)
さてこの時代のFPUとしてはIntelの8087/80287の方が有名でしたが、ソフトウェアを書く立場からはMC68881の方がはるかに楽でした。例えば三角関数の引数は8087では0~π/4の範囲になるようにしなければなりませんが、MC68881では気にする必要はありません。
そういえば似たようなことはグラフィックにもありました。NECのGDC μPD7220では直線を描画するのに傾きによってパラメータを切り替える必要があるのに、日立のACRTC HD63484はただ始点・終点の座標を指定すればあとは自動的に処理されます。
NEC, Intelはソフトで処理してもたいした負担にならないところはソフト処理に任せてデバイスの規模を小さくし、Motorola, Hitachiは逆にソフトを簡単にしようとしたのでしょう。Motorolaは後のMC68040でFPUの機能の多くを切り捨ててソフトウェアエミュレーションにしてしまいましたが。
これは裏側、右のMC68881の配列は10×10マトリックスでそう特殊ではないですが、68ピンPGAとしては11×11の方が一般的です。PLCCソケットのピンも11×11ですし。
これは現役当時の広告です。トランジスタ技術1986年11月号に掲載の亜土電子のものです。MC68881RC16の価格が左右で1桁違いますが、左側が誤植です。両方合わせて30万円近くになるんですね。
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