パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第3回: ミニコン由来のものたち)

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8080・MC6800・6502を取り上げたので次はZ80・MC6809か、と行きたいところですがその前にちょっと変わったプロセッサたちを見ていきましょう。今回はミニコンをLSI化したものたちです。

Panafacomが1975年に発売したのがL-16A(MN1610)です。初期の16ビットマイクロプロセッサですね。
+12V,+5V,-3Vの3電源が必要(8080も+12V,+5V,-5Vが必要)でしたが、後に+5V,-3Vの2電源のMN1610A、+5V単一電源のMN1611も発表されました。

あまり広くは使われませんでしたが、以下に採用されていました。

  • Panafacom LKit-16
    1977年発売のトレーニングキットです。アルファベットキーではなくニーモニック(命令)ごとに専用キーのある簡易アセンブラを搭載していました。
  • FACOM 9450
    富士通から1981年に発売されたパソコン(いわゆるオフコンに近い)でした。CPUはMN1610Aを2つ積んでいました。

上位互換で32ビット浮動小数点命令のあるMN1613などというものもありました。

東芝未来科学館

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今日は川崎の東芝未来科学館に行ってきました。「日本科学未来館」と名称が似ていますがそちらではありません。

東芝未来科学館
あいにくの雨でしたが、屋根のある通路で行けますので助かりました。

入場無料ですのでパンフレットだけ貰って入ります。平日だったのでそれほど混んではいなかったのですが、社会科見学らしい小学生がちょっと騒がしかったかな。

パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第2回: 8080登場)

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1974年にIntelが発表した8080は、それまでのプログラムを固定して使う組み込み用から汎用コンピュータとしても認識されることになりました。

40ピンDIPのパッケージ、アドレス16ビット・データ8ビット・RD,WR信号を用いる80系バス、割り込み、DMAのためにバスを開放する機能といったその後のマイクロプロセッサで一般化したものの多くが採用されています。

RDは実は8080から出力されておらず、外付け回路で作成する必要があります。後にこの回路は8228/8238 System Controller and Bus Driver for 8080A CPUとしてIC化されました。

エンディアン(2バイトのデータをメモリに置く順番)はリトル(8008もそうです)となっていて、これは現代のx64アーキテクチャまで続いています。

この8080を採用したコンピュータには以下のようなものがありました。

パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第1回: 4ビットの頃)

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これまでメモリサウンドグラフィック漢字・そして技術情報の各事情について書いてきました。
でも肝心のプロセッサの事情についてはまだでしたので、何回かに分けて書いてみようと思います。

個人向けコンピュータのプロセッサというと現在ではPC系はIntel・AMDの「x64」、スマートホン・タブレット等は「ARM」にほぼ統一されてしまっています。しかし最初からそうだったわけではありません。

まだトレーニングキットなども発売されていなかった頃、個人でコンピュータを持とうとすれば自作するより他ありませんでした。汎用ロジックICを組み合わせてプロセッサ自身を作成する人もいれば、登場したばかりのマイクロプロセッサを利用することもあります。
トランジスタ技術誌に掲載されたコンピュータ自作記事を集めた「つくるコンピュータ」には4つの製作例が載っています。

ハッピーバード

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ハッピーバードって何かわかりますか?

箱入り
箱に入った状態で出てきた「ハッピーバード」です。

他にも「平和鳥」・「ドリンキングバード」・「水飲み鳥」などの名称で呼ばれています。

これ買ったまま部屋の中で行方不明にしてしまい、もう一つ買って職場のデスクに置いていました。それは倒したか何かの衝撃でヒビを入れてしまったので退職時に捨ててきたのですが、今回最初に買ったほうが出てきました。

箱に「Non-Flammable」(難燃性)とあるのは、昔は可燃性のエーテル等が入っていたためです。現在入っている塩化メチレンは難燃性ではありますが、人体には有害なので要注意。

せっかくなので取り出して組み立て(軸を通すだけ)てみました。頭部を濡らせば始動します。うまく動かないときは支点の位置を調整します。

∞缶ビール

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∞プチプチ」に続いてジョークグッズの「∞缶ビール」です。

∞缶ビール
プルタブを持ち上げると「プシュッ」という開ける音と「トクトクトク」という注ぐ音がするだけのものです。

まれにシェイクされていたり(「プシューッ」と噴出す音がする)、「ゴクゴクッ」と飲む音もします。

この∞シリーズいろいろと発売されているのですが、音がする(電子回路が入っている)ものしか買っていません。

チューナーユニット

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秋月で買ったと思われるチューナーユニットが出てきました。

チューナーユニット
ハンダの跡があって明らかに取り外したものとわかります。

今回出てきたのは現物が2つ、紙1枚の資料も一緒に貰ったと思うのですがそちらは未発見です。

いつか弄ろうと思って放ってあったのですが、その機会は永遠に失われてしまいました。これTVのアナログ放送のチューナーなのです。

確かチューニングは中にバリキャップが入っていて外部から電圧をかける方式でした。100~200MHz程度の音声(FM)チューナーとして使える可能性はあるかもしれません。

幸いカバーはハンダ付けされていなかったので開けてみます。

パーソナルなコンピュータの技術情報事情 (ソフトウェア編)

ハードウェア編に続きまして、今回はソフトウェア編です。

トレーニングキットの時代は回路図同様にソフトウェアについてもオープンなものが多かったと思います。
ソフトウェアといってもメモリの内容を表示・変更したりプログラムの実行ができるモニタ等ですが、これのソースコードがマニュアルに掲載されていたりするわけです。これもサンプルとしての意味が大きいからでしょう。オブジェクトのサイズも数kB以下ですから量的にも大したことはありません。

BASICインタープリタをROM搭載したいわゆるパソコンになると状況が変わりました。シャープのようにモニタのソースコードのマニュアルへの掲載を続けたところもありますが、BASIC自体となるとそうはいきません。

  • マイクロソフト等の社外開発のものが多く勝手に公開できない
  • サイズも小さなものでも10kB以上と大きくなり紙面的にも難しい
  • ユーザ層としても必要としない人が増えた

といった事情からソースコードの公開は困難になります。

パーソナルなコンピュータの技術情報事情 (ハードウェア編)

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今パソコン・PCはブラックボックスになっています。どんな回路構成になっているのか、どんなソフトウェアが入っているのか、ほとんどの人は気にしません。

「いや、俺は気にする」という人でも、XXXチップセットを搭載している⇒このくらいのパフォーマンスが期待できる、OSのバージョンがYYY⇒何とか機能がある、といった機能・性能の指標として気にしている人が大半ではないでしょうか。

周辺機器のハードウェア設計者でもPCI・USBといったインターフェイスの仕様は調べますが本体の回路がどうなっているかは(トラブルでも起きないかぎり)普通は調べません。ソフトウェア設計者もAPIの使い方は知っていますがそれがどう実装されているかは考えません。

これはもちろん悪いことではありません。効率を上げ、互換性を保つには必要不可欠でしょう。

しかし昔は事情が違っていました。各社が互換性の無い機種を発売し、標準的なOSも無く(あっても機能が限られ)、ハードウェアを直接叩かなくては十分なパフォーマンスが得られない状況では内部の情報は重要だったのです。

ということで今回はハードウェア情報(主に回路図)について書いてみます。

82C51 USART

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USBN9602と一緒にこれも出てきました。

TMP82C51AP-10
東芝のTMP82C51AP-10、8251 USARTのCMOS版です。「-10」はクロックの周期が100ns(10MHz)まで短くできることを示しています。
JAPAN「9644」ECIとあることから、1996年製と思われます。

前に取り上げたMSM82C51A-2のクロックは200ns(5MHz)だったのに対して倍になっていますね。

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