2017-10-21 20:45 — asano
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8080・MC6800・6502を取り上げたので次はZ80・MC6809か、と行きたいところですがその前にちょっと変わったプロセッサたちを見ていきましょう。今回はミニコンをLSI化したものたちです。
Panafacomが1975年に発売したのがL-16A(MN1610)です。初期の16ビットマイクロプロセッサですね。
+12V,+5V,-3Vの3電源が必要(8080も+12V,+5V,-5Vが必要)でしたが、後に+5V,-3Vの2電源のMN1610A、+5V単一電源のMN1611も発表されました。
あまり広くは使われませんでしたが、以下に採用されていました。
- Panafacom LKit-16
1977年発売のトレーニングキットです。アルファベットキーではなくニーモニック(命令)ごとに専用キーのある簡易アセンブラを搭載していました。 - FACOM 9450
富士通から1981年に発売されたパソコン(いわゆるオフコンに近い)でした。CPUはMN1610Aを2つ積んでいました。
上位互換で32ビット浮動小数点命令のあるMN1613などというものもありました。
IntersilのIM6100はミニコンPDP-8のプロセッサを1チップのCMOS LSI化したもの、非常に珍しい12ビットのマイクロプロセッサです。バス幅が8の倍数では無いと使いにくいと感じるかもしれませんが、まだ8ビット幅のRAMがほとんど無かった頃なので問題にはなりませんでした。
- Intersil Intercept
IntersilのPDP-8互換機です。基板のみ入手できたらしく、これ用のCPUボードと独自のメモリボードを組み合わせる記事がASCII誌に掲載されていました。 - Intersil Intercept Junior
Intersilの作ったトレーニングボード、I/Oなどが異なるのでPDP-8用のソフトウェアはそのまま実行できません。 - DECmate
DEC自身が作ったPDP-8互換のパソコンです。
Texas InstrumentsのTMS9900は同社のミニコン990シリーズを1チップ化したものです。これは16ビット(外部バスも)のプロセッサですが、実行クロック数を減らして外部バスを8ビットにした改良版がTMS9995です。
- TI-99/4A
1981年発売の家庭用パソコン、CPUはTMS9900でした。 - トミー ぴゅう太
1982年発売、CPU(TMS9995)より独特の日本語BASICで有名でした。ゲーム機とパソコンの間の中途半端が災いしたのか商業的には成功とはいえませんでした。
まだ8ビットが中心の時代に、これらミニコン由来のものは12~16ビットとなっていました。
マイクロプロセッサが4ビットから始まり多桁演算はソフトウェアで処理すればよいと考えていたのに対し、従来のコンピュータは必要なビット数をハードウェアで実装するのが普通だったからなのでしょう。
参考文献・関連図書:
柳沢正史(1978)「IM6100の製作 第1回」,『ASCII』1978年3月号,pp.68-70,アスキー出版.
柳沢正史(1978)「IM6100の製作 第2回」,『ASCII』1978年4月号,pp.66-68,アスキー出版.
柳沢正史(1978)「IM6100の製作 第3回」,『ASCII』1978年5月号,pp.66-68,アスキー出版.
柳沢正史(1978)「IM6100の製作 最終回」,『ASCII』1978年6月号,pp.68-69,アスキー出版.
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