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74シリーズの変り種(その1)


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最近では74LSシリーズを店頭で買えるところが減ってきました。たとえ売っていても品種がかなり少なくなっています。今はCMOSの時代ということもありますが、74HCシリーズの品種が往時の74LSシリーズ並みにあるかというとそんなこともありません。

ある程度の規模なら(FPGAなどを含む広い意味で)PLDを使うでしょうから、汎用ロジックとして残るのは限られた品種になります。

  • 基本的なゲートやフリップフロップなど
  • 単独でも使われるカウンタやデコーダなど
  • PLDに入れにくいバス関係(Octalのバッファやラッチ)など
  • やはりPLDに入れにくいドライバやレシーバなど

これらもバリエーションが少なくなっています。

そこで数回に分けて「こんなのもあったんだよ」というのを取り上げてみたいと思います。74LSシリーズを中心にしますが、74シリーズや74ASシリーズにしかないようなものも含みます。

それと誤解がないように書いておきますが、特記のない限り実際に使ったことはありません。古いデータシートを読んで気になったものを取り上げているだけなので、勘違いなどあるかもしれません。入手も難しいものが多いと思いますので「へぇ~」という軽い気持ちでお読みください。

74LS31

これはDelay Elementsと呼ばれるものです。

インバータ・バッファ・NANDゲートが2つずつ入っていて、インバータとバッファには約20~50ns程の大きな遅延が設定されています。

これは一応現行品です。

7450 と 7460

まず7450はDual 2-Wide 2-Input AND-OR-Invert Gates (One Gate Expandable)というややこしいものです。

2入力AND2つの出力のNORを出力するものが2つ入っているのですが、片方のNORはANDを追加して拡張できるようになっているのです。

この追加するAND部が7460で、Dual 4-Input Expandersです。

これは4入力ANDが2つ入っているのですが、出力は通常のトーテムポール出力ではなく7450専用になっています。

正確には7450以外に7423, 7453にも接続できます。
また7460の代わりに7461(3入力ANDが3つ)なんてのもあります。

これだけではこれらのデバイスの風変わりさがわからないのでデータシート記載の回路図を見てみます。
SN7450 回路図SN7460 回路図
内部回路を直接つないでいるのがわかります。こうすることで普通のANDとNORを接続するより伝播遅延を少なく抑えることができるわけです。

Expanderは4つまで並列接続できるので、最大で2入力ANDを2つと4入力ANDを4つのNORを作ることができます。

これらは74シリーズと74Hシリーズのみのようで74LSは見当たりません。

7489

7489は16×4bitのRAMです。

16kではなく16なのでアドレスは4本、データは入力と出力が別になっています。これを並べて実用的なメモリを構成することを考えると気が遠くなりますね。

余談ですがインテル初の製品はこの7489相当品の3101だったようです。

(つづく)

参考文献・関連図書: 
SN54LS31, SN74LS31データシート, Texas Instruments.
SN5450, SN7450データシート, Texas Instruments.
SN5460, SN54H60, SH7460, SN74H60データシート, Texas Instruments.
SN7489データシート, Texas Instruments.

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