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SN74LS783


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74シリーズの変り種(その4)で取り上げた74LS783の現物を入手しました。


なんでこんなものを調達したかというと、これを使用したルーズキットが発売されたことと、そこでUniversal Monitorを動かしてみたいと思ったからです。

キットの方はあっという間に売り切れてしまったのですが、海外調達で時間のかかるSN74LS783をとりあえず手配したのでした。

その後キットの方も無事に入手できました。

1983年製という割には奇麗すぎる気がするのはちょっと心配です。


裏側、右側に「MALAYSIA」の刻印がありました。

さてこの石、動作モードがいくつかあるのですがその設定方法がちょっと変わっています。

メモリ関係ですと独立ピンで設定するものも多いですが、ただでさえ40ピンと多いピン数をこれ以上増やしたくなかったのか、MPUから設定するようになっています。この設定が済むまではDRAMを使用できないので要注意です。別途SRAMを搭載していない限りスタックも使えません。

DRAMの制御にデータバスは必要無い(MPUとDRAM間でやり取りできれば良い)のでSN74LS783には接続されていません。そこで特定のアドレスに書き込みアクセスを行なったときにそのアドレスによって内部レジスタのビットをセット・リセットするようになっています。具体的にはアドレス$FFC0~$FFDFに書き込みを行うと、A4A1で指定された内部レジスタのビットにA0の値が書き込まれます。

アドレスバスはマルチプレクサのために必要ですから設定のためにピンを増やす必要がありません。

またMC6809システムではこの辺りのアドレスには通常ROMを配置しますからメモリ空間も有効に使えます。

うまい方法を考えたものです。

データシートにはSN74LS785というものも載っています。これはリフレッシュカウンタを8ビットに拡張してTMS4164などにも対応させたもの(ほかにも改良点はある)です。特にデメリットはなさそうなのでそちらにしておいた方が良かったかもしれません。

SN74LS783の別名がMC6883なら、SN74LS785はMC6885とも呼ぶのかなと思うかもしれませんが、MC6885は全く別のデバイスです。

次回はSBC6809Eルーズキット組み立てを予定しています。

参考文献・関連図書: 
SN74LS783/MC6883, SN74LS785データシート, Motorola.

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