2024-02-12 20:57 — asano
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またちょっと古いICが出てきました。
MotorolaのMC6847P VDG(Video Display Generator)です。
これはNTSCテレビにキャラクタやグラフィック表示をするためのもの、NECのPC-6001シリーズに使われていました。類似のモノだとMSXなどに採用されたTexas InstrumentsのTMS9918シリーズが有名ですね。
両者は表示モードの方向性など多くの相違点がありますが、最大の違いは表示用メモリの扱いでしょう。TMS9918系がCPU空間とは独立したメモリ空間を持ちDRAMコントローラ機能も内蔵しているのに対し、このMC6847はMPUのメモリ空間の一部を表示メモリとして使用します。そのためMPUとVDGからのアクセスを調停する何らかの回路が必要です。以前取り上げた74LS783はこの機能を持っていました。
表示モードには以下がありました。
モード | メモリ | 色数 | 備考 |
---|---|---|---|
Alphanumerics (Internal) | 512B | 2 | 内蔵CG |
Alphanumerics (External) | 512B | 2 | 外部にCG ROM |
Semigraphic 4 | 512B | 8 | 1文字を2×2に分割 |
Semigraphic 6 | 512B | 4 | 1文字を2×3に分割 |
64×64 Color Graphics | 1kB | 4 | |
128×64 Graphics | 1kB | 2 | |
128×64 Color Graphics | 2kB | 4 | |
128×96 Graphics | 1.5kB | 2 | |
128×96 Color Graphics | 3kB | 4 | |
128×192 Graphics | 3kB | 2 | |
128×192 Color Graphics | 6kB | 4 | |
256×192 Graphics | 6kB | 2 |
モードの選択はレジスタではなく外部ピンによります。というかMPUからアクセスできるレジスタは存在しません。
また上4つのモードは文字単位で混在が可能です。その場合は外部に1文字ごとにどのモードを使うか記録するRAMが必要になります。あるいは画面の上3/4はセミグラフィック・下1/4はテキストのようなことも可能です。すべて外部回路次第です。
ビデオ出力について以前直接コンポジット信号が得られると書きましたが、それは誤りで出力は色差信号なので(モノクロで良いならともかく)外部にカラー変調器が必要です。MC1372はRFモジュレータICですがこのカラー変調回路を内蔵しており、RF回路に直流をかけることでコンポジット信号のみを得ることもできます。
なのですが、今回出てきたのはこのMC6847のみでMC1372はありませんでした。この手の古いデバイスでよくお世話になる若松通商さんにもMC6847はあってもMC1372は品切れのようで、もし動かすならモノクロで諦めるかeBayあたりでMC1372を探さなくてはならないようです。
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