2017-03-20 11:41 — asano
今回はプリンタMZ-80KP5の分解編をお届けします。
まずはトップカバーを外します。左奥にはコントローラ基板、右奥には電源があります。電源はスイッチング式ではなく、大きな電源トランスが入っていました。どうりで重いわけです。
手前側はプリンタメカです。モータは右側に2つありました。シャフトの奥にあるのが紙送り用、手前にあるのがヘッドの移動用です。どちらもステッピングモータです。
メカの左側を拡大してみました。
右側にヘッドの一部が見えていますね。
三角形の基板にはフォトインタラプタ(センサ)が見えます。電源投入時にヘッドの位置決めをするためです。
その左側に並んでいるギヤはインクリボンを巻くためのものです。振り子ギヤになっていてヘッドが右に動いても左に動いても同じ方向にリボンを巻きます。
奥のシャフトの左側、ハイライトで飛んでしまっていますが、操作レバーです。エキセントリックになっていて奥のシャフトが前後に動いてヘッドの位置を調整します。紙の厚みに合わせられるようになっているのです。
奥の基板はメカの下に入り込んでいるので、メカを外しました。
電源コネクタを見ると5V, 14V, 24Vとあります。5Vはロジック用、14Vと24Vはメカの電源ですね。14Vがヘッドで、24Vがモータでしょうか。
基板左側がドライブ回路です。DB-25コネクタの下に並んでいるのはパワートランジスタ、その右のTD62504もトランジスタアレイです。左端の青いコネクタはメカへの配線です。
右上のTMP8155PはRAM・パラレルI/O・タイマのIC、前にCMOS版のM81C55を紹介しました。その下のTMP8085APも日電製のμPD8085を以前紹介しています。その下で「56」とラベルが貼られているのはTMM2732D 4kBのROMです。8085+ROM+8155の典型的な小規模のシステムになっています。ROM右のSN74LS374Nはアドレスのラッチでしょうか。
一番下のTMP8039P-6もCPU、IntelのMCS-48というワンチップマイコンのシリーズの一員です。マスクROMの8048,8049、UV-EPROM内蔵の8748,8749の他にROM無しの8035,8039があり、これはそのROM無しのものです。マスクROMにするには数が必要ですし、時間もかかります。UV-EPROM内蔵のものは高価なのでピンが足りるならROM無し品に外付けROMの方が安かったのではないかと思います。プログラムは右のTMM323D(2716の東芝型番)に入れてあるはずです。
それにしても何でCPUを2つも使っているのでしょうね? また役割分担はどうなっているのでしょう?
私ならシステム全体の制御・パソコン本体とのやり取り・フォント展開とヘッド制御を8085にやらせて、ステッピングモータの波形だけ8039にやらせるかな。
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