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個別半導体の型番 (Pro Electron編)


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3回目はヨーロッパで使われるPro Electronの命名法について書いてみたいと思います。

参考にしたのは「European Type Designation Code System for Electronic Components」の16版です。過去のデバイス(記載の無いもの)についても一部他の情報で補いました。

型番の構成は「BC548A」を例にとると次のようになります。

  1. 文字:ここでは「B」
  2. 文字:ここでは「C」
  3. 数字:ここでは「548」
  4. 文字:ここでは「A」

これらについてそれぞれ見ていきます。

第1項の文字は以下のようになります。

文字 定義 備考
A ゲルマニウム バンドギャップが0.6~1.0eVのもの
B シリコン バンドギャップが1.0~1.3eVのもの
C GaAsなど バンドギャップが1.3eV以上のもの
D セラミック 16版による
InSbなど 【参考】
バンドギャップが0.6eV未満のもの
ヒータ電圧1.4V以下の真空管 【参考】
E ヒータ電圧6.3Vの真空管 【参考】
F ディジタルIC 【参考】
G ディジタルIC 【参考】
H ディジタルIC 【参考】
I ディジタルIC 【参考】
M マイクロプロセッサ及び関連IC 【参考】
N 電荷転送素子・スイッチトキャパシタ 【参考】
P ヒータ電流300mAの真空管 【参考】
ディジタルIC 【参考】
R 複合材料
S ディジタルIC 【参考】
T アナログIC 【参考】
U ヒータ電流100mAの真空管 【参考】
アナログ・ディジタル混合IC 【参考】

「【参考】」とあるものは個別半導体ではありませんし、2文字目以降の命名法がまったく違いますのでここでは取り上げないこととします。

真空管ではECC83(双三極管)等が有名です。ICでは普及しなかったようで使っている例を知りません。
それにしても真空管からマイクロプロセッサまでカバーしようとするとは...
上にヒータ電流100mA/300mAというのが出てきますが、電圧の間違いではありません。定格電流の同じ真空管のヒータを直列にしてAC電源に直結することで電源トランスを省略する手法があったのです。ラジオ等を構成する一式の真空管が同一ヒータ電流・ヒータ電圧の合計が商用電源電圧になるようなセットで用意されていたのです。当然ながら傍熱管です。

個別半導体では第1項は半導体の材質を表していることになります。

第2項は以下のようになっています。

文字 種別 備考
A 小信号ダイオード
B 可変容量ダイオード
C 低周波 小信号トランジスタ
D 低周波 パワートランジスタ
E トンネルダイオード
F 高周波 小信号トランジスタ
G 複合デバイス
H 磁気センサ ダイオード 16版にあるが詳細不明
K キャパシタ 16版にあるが詳細不明
L 高周波 パワートランジスタ
M ミキサ 周波数混合器のことか?
N ホトカプラ
P 受光デバイス ホトダイオード, ホトトランジスタなど
Q 発光デバイス LED, レーザダイオードなど
R 小信号スイッチ サイリスタ, ダイアック, トライアック, UJT, PUTなど
S 小信号スイッチングトランジスタ
T パワースイッチ サイリスタ, トライアックなど
U パワースイッチングトランジスタ
V アンテナ 詳細不明
W 表面弾性波デバイス
X 逓倍用ダイオード
Y 整流ダイオード
Z 定電圧ダイオード

分類が細かいですが、極性(PNP/NPN, Pチャネル/Nチャネル)を分けていないのがJIS・EIAJとは大きく異なっているところです。

第3項の数字は資料によって揺れがあります。
第16版では4桁の数字(0001~9999)あるいは英字1桁と3桁の数字(001~999)となっていますが、実際に見かけるものは3桁の数字がほとんどです。足りなくなって桁を増やしたのかもしれませんが、16版より前のものが手に入らないのではっきりしたことはわかりません。
また基本は登録順のようですが、昔はパッケージ・PNP/NPN・用途等で意味のある番号をつけていたこともあるとする情報もあります。

第4項は1~2桁の英字で、「version letter」とあることから改良や小さな差異を表します。

最初の例のBC548ではhFEによってA,B,Cに分かれています。Aは110~220, Bは200~450, Cは420~800を表し、何もつけないと110~800となります。

R(逆極性のもの)・W(表面実装部品)以外は決まった意味はありません。

第4項のあとには「‐」(ハイフン)に続けてツェナー電圧・輝度など細かい仕様を表す英数字がつくことがあります。

このPro Electronの命名法もJEDEC同様に同一型番のデバイスを複数社が供給しています。

参考文献・関連図書: 
"European Type Designation Code System for Electronic Components" Sixteen Edition, Pro Electron.

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