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国立科学博物館


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計算機関係も結構あるということで上野の国立科学博物館に行ってきました。

国立科学博物館
正面玄関のように見えますが(昔はそうだったのでしょう)、現在の入り口はこの下にあります。(この写真は実は帰りに撮ったものです)

この博物館は一般的には動植物の標本などが有名ですが、本サイトらしく電気関係を中心に見ていきます。

入り口のあるこの建物は「日本館」、1階に時計・地震計・顕微鏡などがあります。戦中製の電子顕微鏡なんてものも。
今回の私のメインは「地球館」にあるのですが、その前に屋外に展示されているラムダ・ロケットのランチャを見に行きます。狭いところにあるので全体像がわかりにくいのが残念です。

FUJIC
これは富士写真フイルムが作ったFUJIC、レンズの設計用に本業ではない計算機を作ってしまったのです。

緑色の「田」の字が本体(の一部)で真空管がずらりと並んでいます。一体いくつあるのでしょう。真空管は消耗品なので不良を探して交換することを考えると気が遠くなりますね。

手前にある黒い筒状のものは水銀遅延線というメモリです。中には水銀が詰まっていて(環境問題を考えるととんでもないことですが)両端には圧電素子が取り付けられています。片方の素子に信号を加えると波となって水銀を伝わり、反対側の素子から電気信号として取り出すことが可能です。
これがどうしてメモリになるかというとこういうことです。
仮に波が伝わるのに10秒かかるとしましょう(実際はもっと速いです)。1秒に1回正か負のパルスを加えると、10秒後に最初のパルスが出てくるのでこれを増幅して11発目のパルスとします。以後、同様に出てきたものを戻してやると最初に加えた10発のパルスのパターンがぐるぐる回る状態になります。パルスの正か負を0,1とみなすと10ビットの情報が記録されたことになります。
読み出すときはタイミングを取ってパルスを取り出し、書き込みもタイミングを取って(戻す代わりに)パルスを加えればよいのです。
管(遅延時間)を長くすれば容量が増えますが、目的のデータにアクセスするまでの待ち時間が増えてしまいます。パルスの間隔を短くしても容量は増えますが、今度は物理的な応答性との兼ね合いが問題になるでしょう。

奥にチラっと見えているのは旧国鉄の座席予約システムMARS-101です。
右側にはリレー式計算機のETL-Mark IIがありました。

Intel 4004
これは世界初のマイクロプロセッサ4004の載った基板です。

ルーペの中央、金色のフタがついているのがC4004です。頭の「C」はセラミックパッケージを表します。

周囲にはP4001-xxx, P4002-1というものもいますね。頭の「P」はご想像の通りプラスチックパッケージです。
4001は2048bitのマスクROMと4ビットのI/Oポート一つにしたもの、「xxx」はROMの内容を表しているのでしょう。
4002は320bitのRAMと4ビットの出力ポートです。「-1」はアクセスタイムではありません。4002はアドレスデコーダを内蔵しているのですが、字アドレスの選択ピンが1本しかありません。4004に4002は4つまで接続できるので足りないピンの分をマスクオプションで補っているのです。なので一つの4004には4002-1と4002-2を2つずつ接続します。

さらにP4003も見えますが、これは出力ポートを増やすためのシフトレジスタです。
シルクハットもたくさんいます。

付近にはTK-80やカシオの14-A型リレー式計算機等もあります。

計算機以外でも写真電送装置・テレビジョン・マグネトロンなど、電気から離れると工作機械や宇宙開発、零式艦上戦闘機などもあります。
この「地球館」2階は技術好きにはたまらないフロアです。

ロケット・ランチャ
最後に、真下からでは見にくかったロケット発射台を線路越しに撮ったもの(これは入館前撮影)。
架線柱がかぶってしまっていますね、それに下が見えません。