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TI TMS9928


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今回のものはMSXなどに使用されたTMS9918 VDP(Video Display Processor)のバリエーションの一つです。これ、いつ何を考えて買ったんだったかな?


TIのTMS9928AN、シンガポール製です。デートコードは9209と8227のどちらかな?

TMS9918のバリエーションの一つと書きましたが、どんな種類があったのでしょう?

違いは主に2ヶ所ありました。

一つ目は出力形式の違いです。TMS9918はNTSCコンポジット出力でした。このTMS9928はこれをRGB(厳密にはY, R-Y, G-Yの色差)出力に変更したものです。さらにTMS9928をPAL用の625ラインにしたTMS9929があります。

もう一つの違いは対応するDRAMです。上記のTMS9918, TMS9928, TMS9929は16k×1bitのDRAMを8個使用(4k×1bit, 8k×1bitも可)する前提です。これらを16k×4bit DRAM 2個使用に変更したものがそれぞれTMS9118, TMS9128, TMS9129です。

PV-7にはTMS9118が使われていました。

細かいことを言えば上に上げたTMS99xxはすべてTMS9918AなどとAが付くもので、Aの付かないTMS9918(画面モードが少ない)が別にあったのですがまず見かけません。TMS91xxにはAは付きません。

さてこのVDP、ソフトウェア的にはあまり使いやすいと思えないものですが、意外に広く使われたのはハードウェア的にはいろいろ楽だったからではないかと思います。

DRAMコントローラを内蔵していますし、何よりVRAM空間がCPUバスから独立していますので表示アクセスと描画アクセスの調停を考慮する必要がありません。NTSCに限って言えばビデオ信号の生成までやってくれるので出力バッファ程度を外付けすればOKです。RGB出力やPAL(SECAMも)は色差信号から自分で作らなくてはなりません。

MSXに採用されたおかげで後にV9938(MSX-VIDEO, E-VDP)やV9958(E-VDP-II)などが作られました。ソフトウェア的にはTMS9918シリーズの上位互換です。型番も意識しているようですね。

参考文献・関連図書: 
TMS9918A/TMS9928A/TMS9929Aデータシート, Texas Instruments.
TMS9118/TMS9128/TMS9129データシート, Texas Instruments.

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