2017-05-04 21:51 — asano
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知名度は低いですが、多機能のシリアル通信のデバイスです。
NECのμPD7201C MPSC (Multi-Protocol Serial Controller)です。これは1982年製ですね。
Z80 SIOは非常に多機能なシリアル通信のデバイスですが、Z80ファミリ以外に接続するのは困難です。
Z80 CPUの命令フェッチを観察していて「RETI」命令の実行をチェックしています。これによって割り込みハンドラの実行が完了したことを検知します。
このMPSCはZ80 SIOと同等の機能を持ち、8085や8086/8088などのシステムにも簡単に接続できるようにしたものです。
後に改良版が作られμPD7201A(末尾にパッケージを表す記号が付くのでμPD7201AC,μPD7201AD)となり、さらにCMOS化されてμPD72001が作られました。このCMOS化の際にも機能追加が行なわれ、ボーレートジェネレータやDPLLなどが追加されています。
余談ですがNECはCMOS化で型番の中に「0」を追加するパターンが多いですね。このμPD7201⇒μPD72001以外にも、
- μPD7265⇒μPD72065 FDC (Floppy Disk Controller)
- μPD7220⇒μPD72020 GDC (Graphic Display Controller)
などが有名です。
さてこのμPD7201ですが、パソコン等への搭載例はあまり聞きません。Z80 SIOをZilog自身が汎用化したZ8530 SCCや改良版のZ85230 ESCCが使われることが多かったと思います。MacintoshやSun, Sony NEWSといったワークステーションはみなSCCやESCCを搭載していました。
参考文献・関連図書:
μPD7201データシート, NEC Microcomputers.
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