2017-07-24 16:07 — asano
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以前Z85230を紹介したことがありましたが、その元になったのがこれです。
Z0803006PSC、SCC (Serial Communications Controller)と呼ばれるシリアル通信のデバイスです。「Z-SCC」とあるのはZ-Bus (Z8000 CPUのバス)用のアドレス・データがマルチプレクスされたものだからで、非マルチプレクスのZ8530には単に「SCC」と書かれています。
Z8030/Z8530はさすがに製造中止になっていますが、C-MOS化されたZ80C30/Z85C30や改良版のESCC Z80230/Z85230(「C」が付きませんがC-MOSのはず)は今でも現行品でMouserやDigikeyでも購入可能です。
それでZ80C30を買おうとしたのですがマルチプレクスのZ80***はあまり出ないらしく在庫を持たない扱いなのです。もちろん注文することはできるのですが、それなりの価格の上に最低発注数が50とかでちょっと無理でした。またAliExpressでも「80」は少なく、やっと見つけて発注しても確保できなかったといってキャンセルになってしまいました。そんな時にZ8010とともにやっと1個手に入ったのがこれです。
Z8530/Z85C30/Z85230は汎用のシリアル通信コントローラとして広く使われましたし、今でも使われています。
PCにこそ使われませんでしたが、Macintosh(68k,PPC), X68000などのパソコンをはじめNext, Sun, Sony NEWS, SGIといったワークステーションに採用されました。その他Sparc CPU-1E/4, MC68010ボード, PK-87Jなどここにも何度も登場しています。
個人的な思い出としては、入社間もない頃にまだ68kだったMacintoshでこの石を直接叩くプログラムを書いたことですね。シリアルポートにパラレルのプリンタを接続するケーブル(コネクタに変換IC内蔵)のドライバを書くのに普通の方法ではできなかったからです。
Z85230のところでZ8030/Z8530 ⇒ Z80C30/Z85C30 ⇒ Z80230/Z85230の違いがよくわからないと書きましたが、資料を見つけました。主なものは次の通りです。
- Z8030/Z8530 ⇒ Z80C30/Z85C30
- PCLKの上限が8MHzから16MHzに
- DPLL使用時に必要なPCLKが半分に (上と合わせてレートを4倍にできる)
- SDLCモードの改善 (詳細省略)
- 信号タイミングの改善 (詳細省略)
- Z80C30/Z85C30 ⇒ Z80230/Z85230
- PCLKの上限が16MHzから20MHzに
- 送受信FIFOサイズが1バイト/3バイトから4バイト/8バイトに
- 割り込み・DMAのスレッショルドを変更可能に
- SDLCモードのさらなる改善 (詳細省略)
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