2018-02-22 23:46 — asano
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昨日は放送博物館に続いて気象科学館も覗いてきました。
気象科学館は気象庁の庁舎内にあります。入り口でその旨を告げると一時的なIDを貸してくれるのでそれを首にかけて庁舎内に入ります。横の通路に入ると上の入り口が見えてきます。
ドアの上の「気象科学館」の字は運輸大臣の書のようで、「平成9年6月1日 運輸大臣 古賀誠」とあります。
展示内容ですが各種観測機器と災害対策が中心です。後者は実験展示が多く子どもでも楽しめるのではないでしょうか。
私はもちろん機器目当てです。
これはラジオゾンデ、気球に付けて飛ばして高空の気象観測を行ないます。測定結果は名前の通り無線で送信されるのを地上で受信します。
「危険物ではありません」と書かれているのは地上に落下したものを発見された場合の対策でしょう。こんなものが空から降ってくるだけで十分危険物という気もしますが...
あと2つもあるなら片方は開けて中を見せてくれても良いのに、と思うのは私が分解マニアだからでしょうか?
感雨器は雨の量ではなく降り始めを検知するものだそうです。
そんなもの雨量計があればと思っていましたが、降り始めは雨量計では難しそうです。あれは一定量溜まるごとにカウントする方式のため、最初の「ポタッ」はわかりませんから。
感雨器のアップ、櫛の歯状の電極が雨粒でショートすることを利用しています。
子供の電子工作の定番にも似たようなものがありますが、プロの機器も同じことをしているんですね。
私も小さい頃作ったことがありますが、あれ回路は簡単ですが電極をどう工夫するかが重要なんですよね。間隔が広いと大雨になるまで検知しないし、面積が小さいとなかなか雨粒が命中しません。細かくて面積を広くすると作るのが面倒くさいです。
子供の工作なら検知して終わりですが、連続して観測する場合は雨がやんだ後すぐに乾いてくれないと困ります。
写真を見ると中央が高くなっていて外側に流すようになっています。電極の向きも流れを阻害しないように考えられています。さらに周囲の部分は水が溜まりやすいので検知しないようにしてあります。
前の写真を見ると「ここは熱くなっています」とあり、熱して蒸発させるようになっているのかもしれません。
これらは海水の観測用の機器たちです。
左の転倒温度計は水銀温度計の一種で、逆さにすると水銀が切れてそれ以上動かなくなるものです。目的の水深まで沈めてから反転させ、引き上げて目盛りを確認します。通常の温度計だと引き上げている最中に浅い部分の水温で変化してしまうからです。
電子式ならメモリしておくなり遠隔で読むなりすれば簡単ですが、水銀温度計で実現するための工夫です。
黄色のはナンセン採水器(ナンゼンと書かれていましたがナンセンが一般的のようです)、海水を採取して混ざらないように引き上げる機器とのことです。
奥の黒っぽいのはニスキン採水器、これも採水器です。このあたりは詳しくないのでナンセン採水器とどう違うのかは残念ながらよくわかりません。
小規模ですが他であまり見ないものも多くて面白かったです。
よくわからなかった採水器などは調べてからもう一度見に行きたいですね。
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