電気の史料館 (後編)
最後となる今回は家庭のもの及び分類に困ったものを取り上げていきます。
まず最初は安全器、本サイトでも以前取り上げました。時代的にもほぼ同じ頃のもののようです。
自分の持っているのと同じようなものが展示品になっているとなんとなく嬉しく感じてしまうのは私だけでしょうか?
こんなのもありました。灯火管制用電球です。
最後となる今回は家庭のもの及び分類に困ったものを取り上げていきます。
まず最初は安全器、本サイトでも以前取り上げました。時代的にもほぼ同じ頃のもののようです。
自分の持っているのと同じようなものが展示品になっているとなんとなく嬉しく感じてしまうのは私だけでしょうか?
こんなのもありました。灯火管制用電球です。
昨日は発電関係でしたが、今回は送電関係のものを取り上げます。
こんなものもありました。鬼怒川線865号鉄塔、その形状からバンザイ鉄塔とも呼ばれています。
碍子が6つあるので2回線(一部の例外を除いて3相交流)、電圧は説明によると66kVだったそうです。
現在の鉄塔とは随分と形状が異なっていますね。今では3つの相は縦に並んでいることが多く、飛行場の近くや上を他の送電線が交差しているなどの理由で高さに制限がある場合は横に並べることが多くなります。縦にすれば鉄塔を高くする必要が生じ建設コストが高くなります。横にすれば面積が増えて土地代や線下補償などの費用が嵩みます。
今回もまた過去に見学に行った博物館をお送りします。
川崎の尻手駅の近くにある東京電力の「電気の史料館」です。川崎駅からシャトルが出ていたようですが、私は周囲を歩いてみたかったので歩いていきました。行ったのは2010年9月12日、ちょうどその半年後に福島の事故が発生して以来ずっと休館になってしまっています。
敷地は変電所の跡地(移転したのではなく今も地下にあるらしい)で周囲には送電線が集まってきています。
門を入るとこの空気遮断器が迎えてくれました。ここの変電所で使われていたものらしいです。
奥に史料館の入り口が見えています。
空気遮断器とは簡単にいうとスイッチのことですが、切った際に発生するアークを空気を吹き付けて消すことからこう呼ばれています。他には接点を絶縁油に浸した油遮断器、磁力を利用する磁気遮断器、六フッ化硫黄ガスを吹き付けるガス遮断器などがあります。
電力の世界ではスイッチ一つが大変なんですね。
リニア・鉄道館で言及した佐久間レールパークにも昔一度だけ行ったことがあります。その時の写真がありますので取り上げてみたいと思います。
行ったのは約10年前、2009年11月に閉館したので末期の頃です。
飯田線の中部天竜駅の構内扱いだったので電車で行けばそのまま入場できました。車で行くと入場券が必要です。
施設としても駅(というか機関区)構内の一部を展示エリアにしていました。展示車両も屋外の側線に並べられていたので屋内に詰め込まれているリニア・鉄道館よりは撮影には向いていました。
5回目となるNTT技術史料館シリーズですが、今回で最後です。
このような部品単体の展示もあります。
どちらも中継用に使われた真空管です。電電公社向けに製造されていたもののようですが、今回調べてみると個人で所有されている方やアンプを作った話なども出てきます。放出品などが入手できたのかもしれません。
第4回目はコンピュータ関係です。そもそもここに行った最大の目的は「MUSASINO-1B」を見るためでした。
これが「MUSASINO-1B」、電電公社の電気通信研究所が1960年に作った計算機です。論理素子には日本独自のパラメトロンが使用されました。
パラメトロンは論理素子が真空管からトランジスタに移行している頃に日本で開発され、日本以外では全くといっていいほど使われなかった論理素子で以下のような特徴がありました。
NTT技術史料館の展示は前回紹介したような加入者(ユーザ)の目に直接触れるものだけではありません。むしろ普段目にすることの無いものたちの方がメインといえるでしょう。
これは初期の自動交換機、ステップバイステップ方式の交換機に使われていたセレクタスイッチです。いい全景の写真がなかったのでスイッチ部分のアップです。
この上部に駆動装置があり、中央軸の左についている接点が上下に10段移動し左右にも10段階で回転します。これで1:100の切り替えが2回路(電話は片側共通ではないので2回路で1回線分)のスイッチになっています。電話機のダイヤルは戻る時に数字に対応した数のパルス(1なら1回、2なら2回、0なら10回)を発生しますが、1桁目のパルスで上昇し、2桁目で回転するわけです。11なら左下に30なら下から3段目の右端に接続されます。
100で足りなければさらに縦続接続でき、3桁目のパルスは次のスイッチを駆動することになります。
近代科学資料館とともに電子機器好きにはたまらないNTT技術史料館を取り上げます。ここも行ったのは2年ほど前のことになります。
NTT技術史料館(NTT History Center of Technologies)、電電公社時代のものも含めて膨大なコレクションです。
開館が木曜日と金曜日の午後のみと少なく勤め人だと行きづらいのが難点ですが、他の日に特別公開されることもあります。
場所はJR中央線三鷹駅と西武新宿線の東伏見駅の間、三鷹からはバスもあるようですが、私は散歩のかねて三鷹から歩いてみました。
近代科学資料館の最終回はデバイス編です。
Intel, Motorola などの有名どころも当然ありますが、日本独自のこんなマイクロプロセッサもあります。
左端のT3190は12ビットのプロセッサ、TLCS-12Aという呼び名のほうが有名です。ピンを数えると36ピンみたいで、これも珍しいですね。
隣の3つあるのはTMM111C、128×4bitのSRAMです。蓋が円形なのが面白いです。
次のTMM312P-1は256×4bitのSRAMです。
さらに右のTMM121-1は512×4bitのUVEPROMです。4ビット幅のUVEPROMは非常に珍しいですね。
残りは下記リンク「東芝マイコンの歴史」の「第1回: 東芝初のマイコン」によると次のような機能でした。