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パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第4回: 変り種)


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今回もちょっとマイナー路線です。

まず最初はNational SemiconductorのSC/MP (Simple Cost-effective Micro Prosessor)、「スキャンプ」と発音します。まだプログラムしたことはありませんが、資料を読むかぎりソフトウェアはかなり癖のある仕様です。
p-MOSのSC/MP (ISP-8A/500)、これをそのままn-MOSにしたSC/MP II (INS8060)、スタックや16ビット演算機能を追加したSC/MP III (INS8070)などがありました。SC/MP IIIでは残念ながらそれまでのものとソースレベルでもバイナリレベルでも上位互換ではなくなってしまっています。

  • COMKIT 8060/8061
    名前の通りINS8060を搭載し、フルキーボード・TVインターフェイス付きです。NIBLと呼ばれるTiny BASICが使えました。
  • Orange
    Apple IIっぽい外観のパソコン、ネーミングからして意識しているのは確かでしょう。プロセッサは6502ではなくINS8060なので互換機ではありません。

INS8070にはROMを内蔵したものもありました。NIBLの入ったもの(INS8073)もありましたので、個人的に製作される例も多かったのではないかと思います。

2つ目はRCAのCOSMAC (COmplementary Symmetry Monolithic Array Computer)です。アーキテクチャの名前なので特定のデバイスを指すわけではないのですが、一般的にはCDP1802を指します。

  • COSMAC ELF
    Popular Electronics誌に記事が掲載されたボードコンピュータです。RAMが256バイトあり、トグルスイッチで入力します。
    後に何社かからキットとして発売されたようです。

CMOSの決して速いとはいえないプロセッサでしたが、ソフトウェアを使用せずにRAMに書き込む機能を持っており、ROMを焼くことのできない人にとってはありがたかった筈です。

最後は東芝のTLCS-12A (型番はT3190)です。これも珍しい12ビット、元は自動車のECU(Engine Control Unit)用でその時に必要とされた精度から決まったそうです。

  • TLCS-12A EX-0
    トレーニングキットでROMが512ワード、RAMが128ワード載っていました。1976年4月発売であのTK-80より前です。
  • TLCS-12A EX-12/10
    同じく東芝製のトレーニングキット、ROMはオプションでRAMは2kワード載せていました。他にRAMを256ワードに減らしたEX-12/5というのもありました。

ところでIM6100のところでRAMは×8bitはあまり無かったと書きましたが、ROMはどうだったのでしょう?
上記キットにはTMM121Cという512×4bitというUV-EPROMが使用されていました。

次回は日本の8ビットパソコンの代表的プロセッサ、Z80とMC6809の予定です。


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