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パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第5回: Z80とMC6809)


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今回取り上げる2つはパソコンの一時代を築いたものたちです。少なくとも日本では8ビットパソコンの多くはこのどちらかを搭載していました。

世界的にはこれらに6502を加えた3種が多く使われました。

その後も16ビットの時代になるまでこれらが使い続けられることになります。

まずはZilogのZ80 CPUです。発表は1976年ですが、今でも(n-MOS版は無理ですが)CMOSのZ84C00はDIP品も含めて現行品です。
これまで取り上げたものはMCS-40がMCS-4の上位互換であった他はソフトウェアのバイナリ互換性はありませんでしたが、このZ80は8080の上位互換にあたります。
搭載機種はあまりに多くてきりがありませんが代表的なものを挙げてみます。

  • NEC PC-6001シリーズ, PC-6601シリーズ, PC-8001シリーズ, PC-8801シリーズ
  • シャープ MZ-80シリーズ(700,1200,1500,2000,2200等も含む), MZ-2500シリーズ, X1シリーズ
  • 東芝 PASOPIA, PASOPIA7
  • カシオ FP-1000, FP-1100
  • ソニー SMC-70, SMC-777
  • MSX

8080と比べてハードウェアも作りやすかったため自作される例も多くありました。

8080のソフトウェア互換であるためCP/M-80が動作しました。これが8ビットでの標準的なOSとして普及したため、他のプロセッサを搭載したパソコン用にCP/M-80実行のためのZ80ボードも多くありました。Apple IIやFM-8, FM-7用のものが有名ですが、PC-9801用などもありましたね。

後に命令やメモリ空間を拡張したHD64180Z280なども登場しますが、性能を求めるなら16ビットということでパソコン用としてはあまり普及しませんでした。

MotorolaのMC6809は1979年登場、「究極の8ビット」と呼ばれることもありました。Z80が8080のソフトウェア上位互換であったのに対し、MC6800との互換性はありません。下手なしがらみを残すより設計し直したようです。それでもソースレベルでは容易に変換できるようにはなっていました。
これも多くの採用例がありました。

  • 日立 ベーシックマスターレベル3, MBS1
  • 富士通 FM-8, FM-7, FM-77シリーズ, FM-11シリーズ(一部)
  • Tandy TRS-80 Color Computer

OSとしてはMC6800用のFLEXを移植したFLEX9とOS-9が有名でしょう。
当時おそらくFM-7だったと思いますが、動作しているOS-9を見せてもらったことがあります。まだCP/Mくらいしか知らなかった頃なので、マルチタスクやパイプラインに驚いたことを憶えています。MBS1やFM-11などMMUが使えれば大きなメモリをOSで扱える(RAMディスク等ではなく)というのも驚きでした。

ここでもまた80系と68系の対立の構図がありましたね。


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