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近代科学資料館 (第4回)


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近代科学資料館の最終回はデバイス編です。

日本独自のマイクロプロセッサ
Intel, Motorola などの有名どころも当然ありますが、日本独自のこんなマイクロプロセッサもあります。

左端のT3190は12ビットのプロセッサ、TLCS-12Aという呼び名のほうが有名です。ピンを数えると36ピンみたいで、これも珍しいですね。

隣の3つあるのはTMM111C、128×4bitのSRAMです。蓋が円形なのが面白いです。

次のTMM312P-1は256×4bitのSRAMです。

さらに右のTMM121-1は512×4bitのUVEPROMです。4ビット幅のUVEPROMは非常に珍しいですね。

残りは下記リンク「東芝マイコンの歴史」の「第1回: 東芝初のマイコン」によると次のような機能でした。

  • T3416 : メモリコントロールユニット
  • T3220 : 汎用入出力レジスタ
  • T3217 : (不明)
  • T3219 : 8レベル割込みラッチユニット

ここは計算機の展示が中心とはいえ、計算機専門の博物館というわけではありません。その他のデバイスのうち面白そうなものをいくつか取り上げてみましょう。

4-1000A
中央と左は4-1000A、右は4-400Aと送信管(送信用の真空管)です。先頭の「4」は四極管であることを、「1000」や「400」はプレート損失(バイポーラトランジスタのコレクタ損失に相当)がそれぞれ1000W, 400Wを表しています。1000Wって化け物ですね。

1000と400でサイズがあまり違わないように見えますが、4-400Aの方は外側にもう一つガラスの容器(チムニーと呼びます)が付いています。この間に空気を流して冷却するのです。4-1000Aの方はチムニー無しの中身だけが展示されているので、実際にはこの外側にチムニーを取り付けることになります。

イグナイトロン
このガラス製実験器具のようなものも真空管の一種です。大電力の整流用で、イグナイトロンと呼ばれる水銀整流器です。

中央の太い部分の底に溜まっているのが水銀と思われますが、この水銀も電極のはずなのですが付近に電極らしきものはありません。どうも上下逆さに展示されているみたいですね。

4回にわたって展示を紹介してきましたが、ほんの一部でしかありません。興味のある方は是非足を運ぶことをお勧めします。

私も今回書くにあたり写真を見返しましたが、もう一度細部を見たいところがいっぱい出てきてしまいました。近いうちにまた行きたいですね。

:本記事の写真は近代科学資料館の収蔵品を許可を得て撮影したものです。


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