2018-07-27 21:00 — asano
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今回取り上げるのはとても古いSRAMです。
MotorolaのMCM6810L-1、128×8bitのSRAMです。冗談のような容量ですが、制御用のワークエリアとしては十分なことが多かったのでしょう。MC6802の内蔵RAMもこの容量です。
これは1975年製ですね。「-1」がスタンプ状なのはおそらくパッケージ後に選別したためと思います。手元のデータシートにはアクセスタイムがMCM6810は450ns, MCM68A10は360ns, MCM68B10は250nsとありますが、初期のMCM6810はもっと遅かったとどこかで読んだ記憶があります。
パッケージもちょっと変わっていますね。
- 何かこうシャープさが無いというか、いびつな感じ
- フタ付きなのにリードフレームとピンが一体になっている
- 左右から細い線が突き出している
- ピンの上部(曲げてあるあたり)が交互にくびれている
こちらも同じく1975年製です。「A」と「G」の違いは何でしょう?
なぜかこちらは1ピンのところが黒く塗ってあります。
もう一つ、1980年製のMCM6810Sです。これは普通のCERDIPパッケージになっていますね。
さてこのMCM6810、MC6800のファミリだけあって普通のSRAMのようにOE, WEではなくE(MCM6810側はEという信号はなく後述のCSの1つを使います), R/Wでアクセスします。68系のバスに直結できるというのがウリです。
それからセレクト端子が多いのも特徴です。CS0, CS1, CS2, CS3, CS4, CS5と6本もある上に正負両方ありますからアドレスデコーダ無しで多数使用が可能になっています。
そして8ビット幅のRAMがまだ珍しかった頃に登場しました。一般的には×1bit, ×4bit品を並べて8bitにしていたものです。
このように必要最小限のメモリをいかに少ないIC数で実現するかということを追求したようです。
参考文献・関連図書:
MCM6810データシート, Motorola.
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