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CDP1824E


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今回のものはちょっと変り種のSRAMです。

CDP1824E
RCAのCDP1824E、32×8bit構成のCMOS SRAMです。32k×8bitの間違いではありませんので念のため。

これの何が変り種かというと容量の少なさではありません。

通常SRAMなどのメモリというのは汎用品で、特定のプロセッサファミリに属してはいないものです。ところがこのCDP1824はCDP1802のファミリに属しています。

インターフェイスはMA0MA4(アドレス)・BUS0BUS7(データ)・CSMRD(一般のOE)・MWR(一般のWE)と汎用品と変わりません。タイミングにも特殊なところはありませんので他のプロセッサにも容易に接続できそうです。

それでは何故ファミリデバイスとして用意されているのでしょう?

それはCDP1802というプロセッサの特徴に関係があります。この初期のCMOSプロセッサは動作電圧範囲が広く4~10V程度で動作するものがあります。電圧を上げたほうが高速動作しますが、当然消費電力は増えます。用途に応じて電圧を選択することが可能なのです。

ところが他のほとんどのプロセッサは5V±5%程度なので、汎用メモリもこれに合わせてあります。CDP1802と汎用メモリを組み合わせると電源電圧は5Vにせざるを得なくなるので、CDP1802と同様の電圧範囲で動作するメモリが必要だったのです。

このようなメモリは他にも少ないながら存在しました。知っているものを挙げてみると以下のようなものがあります。

ファミリ デバイス 構成 備考
CDP1802 CDP1821 1024×1bit CMOS
広い電源電圧範囲
CDP1822 256×4bit
CDP1823 128×8bit
CDP1824 32×8bit
CDP1826 64×8bit
8085 8155 256×8bit RAM・PIO・タイマの複合デバイス
8156 256×8bit
MC6800 MCM6810 128×8bit R/Wを使用する68系同期バス

CDP1802ファミリのものは前述のように広い電圧範囲が特徴でした。また汎用メモリにまだCMOSのものが少なかった時代には低消費電力もメリットだったでしょう。

8155/8156はマルチプレクスバスにそのまま接続することでピン数を減らしI/Oコントローラと共存できています。また8355/8755という同様のROMもあり、組み合わせればアドレスラッチ等も不要で小さなシステムが構成可能になっています。

MCM6810はE, R/Wの68系バスに直結可能なほか、CS, CSが多数あり外部のアドレスデコーダを省略できるよう配慮されています。

参考文献・関連図書: 
CDP1824,CDP1824Cデータシート, Intersil.
8155/8156/8155-2/8156-2データシート, Intel.
MCM6810データシート, Motorola.

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