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Pentium 166MHz


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昨日のS1562に載っていたPentiumプロセッサです。

Pentium 上面
一般的にはPentium 166MHzと呼ばれていましたが、Intelの型番はA80502166です。MMXの前のものになります。

後ろの「SY017」(消えかかっていますが)はS-Specと呼ばれ型番を変えるまでも無い変更を表しますが、具体的な情報はほとんど手に入らなかった記憶があります。
今あらためてデータシートを確認したところ、一部(「SY016」とか)載っているものもありましたが、「SY017」はありません。WWWで公開されていたらしいということまではわかりましたが、個人でここまで調べている人はほとんどいなかったでしょうね。私も自分で回路設計するなら調べますが、ただ買ってきて挿すだけのものにそこまではしていませんでした。

下の86290184-1444はIntel内部トレーサビリティのためらしく、詳細は不明です。

Pentium 下面
下面にも型番とS-Specが表示されています。

S-Specの後ろの「VSS」はデータシートによると以下のことを示しています。

  • 1つ目は電源電圧の範囲で「V」か「S」。要は使用可能な電圧の範囲が異なるということ。
  • 2つ目はタイミングで「M」か「S」。これは詳細不明です。
  • 3つ目の「S」はUP,DP,MP動作のテスト済み。他に「U」はUP,MP動作のみテスト済み。
    UP,DP,MPはそれぞれUni(1), Dual(2), Multi(4以上) -Processorのことと思われますが、Dualは未テストだけどMultiはOKとは一体どういうこと?

今まで気にしたことありませんでしたが、Dual動作がNGのモノもあったんですね。当時調べていて、そのことを忘れてしまっているだけかもしれませんが。

ピン配置は千鳥のPGA (Pin Grid Array)です。これも当時「こんなのもあるんだ」と思った記憶がありますが、その後Pentium Proの配置を見てしまってからはこの程度は普通と思うようになりましたね。

それからこの頃Pentiumに関連して2つのバグ(ソフトウェアのそれではなくプロセッサのバグ)が話題になりました。

一つは「Pentium FDIV バグ」と呼ばれるもので、浮動小数点の除算時に結果が不正確になるというものです。
最初、発生確率は低いということでしたが、偶然に発生するわけではなく与える値によって発生するため、つまり複数回実行して多数決をとるといったことでは防げないわけで、確率の問題として扱うのは不適切でしょう。結局Intelは要望によって交換する対応を取ることになったのです。

もう一つは「F00F バグ」と呼ばれていたもの、これはある命令(不正な命令ですが)を実行するとハングアップするというものです。
CP/MやMS DOSなどのシングルタスクのOSの時代なら「変なソフトウェアを実行するのが悪い」で済んでいたかもしれませんが、マルチタスクの時代では同時に複数のソフトウェアが動作しています。お互いに影響しないようにOSが保護しているのに、この命令によるハングアップは他のソフトウェアを巻き込んでしまうわけで、大きな問題とされたのです。
この時はIntelが回避方法を各OSに提供して回避したはずです。もし回避方法がなかったら交換することになっていたでしょうね。

8ビットプロセッサにも同様の命令は知られていて、HCF (Halt and Catch Fire)命令等と呼ばれていました。
RESETRESETかも)も効かないものがあったと記憶しているのですが、どのプロセッサだったのか思い出せません。

詳しく知りたい方は、どちらも「FDIV バグ」や「F00F バグ」で検索すれば解説が見つかるはずです。


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