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Intel 8741A


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今回はちょっと変わったシングルチップのマイコンを紹介しましょう。

8741A
IntelのQD8741Aです。パッケージの違いはサフィックスで表すところが多いのですが、Intelはプレフィックスで表していて「D」はCERDIPになります。その前の「Q」は何でしょう?

さて、この8741Aは8748シリーズと同じ命令体系のマイコンで1kバイトのUV-EPROMと64バイトのRAMを内蔵しています。I/Oデバイスとしては8ビットのタイマと18本のGPIO、そして8ビットのバスがあります。

ちょっと変わっているのは最後のバスなのです。

当然80系のバスなのでRD, WR信号もあるのですが、これらの信号は出力ではなく入力ピンです。

つまり外部のデバイスにアクセスするためのものではなく、外部のプロセッサからアクセスされるためのバスなのです。

外部にI/Oエキスパンダ P8243を接続することも可能ですが、その接続にはこの8ビットのバスは使用しません。

プログラムされた8741はメインプロセッサに8255などのペリフェラルデバイスと同じように接続できることになります。一番有名なのはPCのATキーボードやPS/2インターフェイスに使われた8042がこの仲間です。比較的最近まで40ピンDIPがPCマザーボード上に載っていることがありましたが、あれがそうです。

関連するデバイスのバリエーションを下表にまとめてみます。

Family UPI-41 MCS-48
ROM容量 1kB 2kB 1kB 2kB 4kB
RAM容量 64B 128B 64B 128B 256B
Mask ROM 8041 8042 8048 8049 8050
UV-EPROM 8741 8742 8748 8749 -
ROMless - - 8035 8039 8040

UPI(Universal Peripheral Interface)というのがこの8741のように外部からアクセスされるバスを持つものです。外部にメモリを接続できないのでROMless品は存在しません。

Motorolaの68系にも類似のデバイス IPC(Intelligent Peripheral Controller)が存在します。マスクROM内蔵のMC68120とROM無しのMC68121がそれです。MC68121はホスト側のバスと自分用のROMやペリフェラル接続用のローカルバスでピンが埋まってしまっているのでI/Oポートは外部に設ける必要があります。

裏側
デートコード等は裏側にありました。1984年のマレーシア製のようです。

せっかくデバイスがあるのですが書けるROMライターが無いのでこれも塩漬け決定です。

参考文献・関連図書: 
8741Aデータシート, Intel.

コメント

こちらと同じと思われるQD8741Aを入手しました。
ちょうど8748の書き込み装置を作ったのでちょっと改造して書き込み電圧を上げCSとA0の処理をしたら書き込めました。読み出しはまだできていません。
8748のために書いたスタンドアロンのプログラムがQD8741Aでもそのまま動作しました。

おおっ、近いうちにWRT8748ルーズキット発売でしょうか? その際はぜひ8741モードもお願いします。

MiniProはもちろん、対応デバイスの増えたT48/T56でも無理、もうちょっとお高い10万円台のもいくつかみてみましたが非対応でした。こんな古いのこれから追加されるとは考えにくく、やはり自分で作るしかないかと思っていました。

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