工作
個人的に製作してきたものの紹介です。
電子的なものがほとんどですが、そうでないものも出来るだけ出していきたいと思っています。
回路図、ソースコードなどは出来ればすべて載せたいのですが、以下の理由で難しいものが多いです。
- 回路図については無いものが多い
- どうせ1台しか作らないのだから紙に線を引くのと、実際に配線する手間は大して違わない。
- バス配線などは書かなくてもわかる(各デバイスのD0同士を接続するなど)。ずらすなど注意を要するところだけメモがあれば困らない。
- 雑誌などの記事・データシート・アプリケーションノート等を参考にしたところはそれを見ながら配線すればよい。
- 著作権的に公開でない
- 古いメディアに入っている
- 本当に失われた
残っていないのではなく、そもそも書かないことが多かったためです。
もちろん仕事ならば書きますが。
特に古いものでは雑誌など掲載のものをベースにしているものがあり、オリジナルと分離できないものは公開できません。
5インチや8インチのフロッピーだったり、PC-9801フォーマットだったりして読むのが難しいものがあります。
PLLシンセサイザ(その9)
PLLシンセサイザの続きです。
間があいてしまったので今困っていることをまとめてみます。
- 基準周波数を下げると不安定になる
100kHzではいいが一般的な10kHzにすると安定しない - 出力周波数を下げると不安定になる
1MHz付近まで下げると安定しない - ロック検出をどうするか
1.と2.はループフィルタ問題だと思われるので本を読み漁っているのですが......
学生時代は制御研究室にいたこともあってフィードバック制御は馴染みではあるのですが、PLL回路には位相比較器とかVCOなどの見慣れないものが含まれています。本を頼りに求めてみたのですがどうも桁が違っているようで、何かを勘違いしているのかもしれません。
じっくり本は読み直すことにして、勝手のわかるフィルタ部分だけ先に求めてみます。
実験に使っているのは以下のラグ・リード・フィルタです。
PLLシンセサイザ(その8)
前回インバータでリングオシレータVCOを作った時の周波数可変範囲を見てみましたが、さらにいくつか追加で入手しましたのでそれらも同様に見てみました。
まずはSN74AHCU04N、これはUnbufferedタイプなので1段での動作は期待できません。
1段 | 発振せず |
3段 | 1MHz~185MHz |
5段 | 700kHz~125MHz |
さすが高速タイプなのでこれまでで最高の185MHzを達成しました。その代わりに下も1MHz程度までしか下がりません。
またノイズがひどいです。
オシロスコープの周波数表示も正しく拾えていませんね。
3SF11を動かしてみた、はず
以前3SF11を動かした記憶があるのでその時の記事を探していたら......
どうも若干の写真を撮っただけで記事など書いていませんでした。ファイルのタイムスタンプによると4年前のようです。今回はその写真と記憶をたよりに書いてみたいと思います。
これがその時に作った実験ボードです。
こういう実験ならブレッドボードの方が良さそうに思いますが、かなり足を曲げないといけません。持っている数も少ないし追加調達も難しそうなのでデバイスにあまり加工を加えたくありません。実際このボードでも足そのままソケットに挿せるようにしています。
そもそも使い方がよくわからないデバイスなのでピン毎にRを切り替えるジャンパを並べているだけで、あとはピンヘッダやソケット間を必要に応じてつなぐことにしています。なので半ばブレッドボード的な使い方になります。
PLLシンセサイザ(その7)
PLLとしての動作に手こずっているので、リングオシレータVCO単体の動作について先に書いて置きたいと思います。これはCMOSインバータの伝搬遅延が電源電圧によって変化することを利用したVCOです。
これは現在いじっている状態で、以下の周波数可変範囲を調べたときとは若干異なっていますが大差はないと思います。
2つのTC74HC04APのうち上がリングオシレータ、インバータを6段接続してあり1,3,5段を右側のジャンパで切り替えられるようになっています。
左上のTO-92は2SK363、ソースフォロワで上の74HC04のVccをコントロールします。
下の74HC04は5V CMOSレベルへの変換器です。リングオシレータは電源電圧を変化させているので振幅が変化し、そのままでは使いにくいのでAC結合ののちCMOSレベルに変換しています。
例によってD/Aで電圧を変化させて周波数の可変範囲を調べてみました。
PLLシンセサイザ(その6)
前回は74LS624によるVCOを作成しましたが、当初の計画である1MHz~25MHzには上限が足りない上にV2のコントロールが必要です。
そこで74HC4046によるVCOも作ってみました。
これも部品点数の少ないシンプルなものですね。74HC4046も前に動かしているので基本それを踏襲していますが、R1を切り替え式から挿し替え式に変更しました。さらにR2も必要に応じて挿せるようにソケットを用意しました。
とりあえずR1=47kΩ, R2=∞(Open)としています。
これで前回同様に周波数の可変範囲を調べてみると、0.94MHz~23MHzとわずかに広くなったうえにV2のような別途コントロールしなくてはならないものもありません。
PLLシンセサイザ(その5)
その4にVCOサブボードが1枚できたので動作確認してみました。
右奥がVCO基板、左奥はループフィルタ用です。
まずはD/AコンバータでVCOの特性を見ようとフィルタは未搭載です。黄色のジャンパはループフィルタ使用時は抜いてD/Aコンバータを切り離します。
VCOは一度動かした74LS624を使ったものを作ってみました。
PLLシンセサイザ(その4)
また間があいてしまいましたが、PLLの実験再開しました。
とはいえこれまで動かしていたボードは、(1) Nの設定変更がかなり面倒くさい、(2) VCOとしてリングオシレータも試してみたいが基板の空き面積がギリギリ、といった問題があります。そこで新たに別な実験基板を作ってみました。
秋月のBタイプ基板を縦に使っています。
上部の空きエリアにはループフィルタとVCOをサブ基板で載せ替えられるようにする予定です。これでVCOをいろいろ試せるようになるはずです。
一方Nの変更はシリアルポート経由でターミナルから変更できるようになります。
PLLシンセサイザ(その3)
かなり間が空いてしまいましたが諦めたわけではありません。参考になりそうな本を探して読み始めてみたりしています。
そんな中でこんなものを入手しました。
MC145157P2、これまで使っていたMC145106と同じような機能のデバイスなんですが以下の点が良さそうだったので買ってみました。
- 基準信号側の分周器に任意の値が設定できるので水晶選択の自由度が高い
- 分周器の設定がシリアルなのでマイコンとの相性がいい
- 分周器が14ビットもあるので細かな設定ができる
残念ながらこれも過去のデバイスなので安定的に入手は出来そうもありませんが、たくさん作る必要のあるものでもないし構わないかなと。
それでは、いま参考にしている本を挙げてみます。
H8/532ボード(ハードウェア編)
PLLが途中ですが、並行して作っていたマイコンボードが動き始めましたのでそちらを取り上げようと思います。
H8シリーズの最初のH8/532のボード、もちろんEMILY Boardで動かします。
幸いノンマルチプレクスバスなので通常のユニバーサル基板を使用します。配線も一対一接続なので厄介なところはありません。
一応未使用ポートをピンヘッダに出して、SCIもTTL-232R-5Vを接続できるようにしてあります。