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MC68kボード (第5期工事編)


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いよいよ最後の第5期工事編です。

MC68kボード 第5期工事部分
第5期工事は大幅なRAMの増設です。CP/M-68KではRAMは128kBあればCコンパイラ等の開発環境も不自由なく使用できるのですが、せっかくセグメントの無いフラットなメモリ空間が使用できるのにその恩恵に与れないのは悔しいのでもう512kB増設することにしました。

128kBのうちOSが32kB程使用しており、残り96kBをコードで32kBとデータで64kB使用するとすると、8086系でもセグメントを意識せずに使うことができます。せっかくMC68000系を使っているので64kB超の使い方ができるようにしたかったのです。友人の使用していたPC-9801VM2のメインメモリが最大640kB(標準384kB+増設256kB)なので、せめてそのくらいは積みたいという意地もありました。

さて、1980年代に512kBのRAMとなるとSRAMという選択肢は無理があります。しかしDRAMを使用するとなるとリフレッシュ等考えなくてはならないことが多くあります。またDRAMを使うにしても値段的に256k×1のものを16個使うことになり、かなり面倒な配線を覚悟しなくてはなりません。
ということでリフレッシュやタイミングの問題は専用のDRAMコントローラを使い、配線の問題はメモリモジュールを使うことにしました。

今回からパスコンが積層セラミックになっています。それでは載っているICを見ていくことにしましょう。

抵抗がたくさん並んでいるのはアドレス, nRAS, nCAS等のダンピング抵抗ですね。
その横に2枚縦に並んでいるのがメモリモジュールです。上からではよくわからないので、違うアングルの写真を載せておきます。

表側には「50256CP-12M」と表示されたICが9つ載っています。これは256k×1のHM50256ですね。

裏側には「HB561003AR-12」とあり、これがモジュールの型番です。日立製ですね。
これSIMMに足が生えた形状をしていますが、この足は自分でつけたのではありません。足付きで売られていて、足無しのSIMMはHB561003B~となります。これのおかげで面倒な配線を減らすことができました。パリティつきのモジュールを使っているのは単なる入手の都合で、9ビット目は未使用です。
2つのSN74LS245Nはデータバスのバッファです。
MB1422Aというのが富士通製のDRAMコントローラ、68000系バスにはほとんどそのままnDTACKも)接続できる便利な石です。クロックさえ入れればアナログ的な調整が一切無いところもありがたいですね。パッケージは42ピンDIPという珍しいものです。
他にSN74LS04N, SN74LS32Nがいますね。

2017年9月20日訂正:
MB1422AがnDTACKを出力していると思っていましたが、出力していたのはRDYnDTACKは外部回路が必要でした。簡単な回路ですが。
参考文献・関連図書: 
HB561003 Series データシート, Hitachi.
早川栄太(1987)「手作り68000ボード SV-1の製作」,『I/O』1987年11月号,pp.259-262,工学社.

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