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私のエディタ遍歴


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先日のVzエディタの記事で予告したとおり、過去に使っていたエディタについて書いて見ます。

ここで言う「エディタ」は勿論テキストファイル編集用のソフトウェアのことですよ。
  1. BASICのエディタ
    最初はN-BASICのエディタでした。あくまでもBASICプログラム入力用のものですが、他の用途に使用したこともありました。
    一つはTL/1のソースコードです。PC-8001用のTL/1コンパイラはBASICのREM(コメント)としてソースコードを入力します。
    もう一つはMC68000のクロスアセンブラのソースです。これはREMではなく文字列として下記のように入力します。
    10 "entry:
    20 " mov d0,#$3400
    30 " rts
        

    BASICのプログラムとしては文法エラーですが、そのまま(中間コードに変換されたりせず)保存されるのでアセンブラはそれを読み取って処理するという寸法です。

  2. PROT, GAME, MAIなど
    当時のパソコン用の言語では独自にエディタを内蔵しているものも多かったです。
    • PROT (Programming Tool)はZ80アセンブラです。行番号の無いエディタを使うのはこれが最初だったと思います。
    • GAME (General Arithmetic Macro Expressions)はBASIC風の記号言語です。これのエディタはBASICと大差ありませんでした。
    • MAI (Micro Algorithmic Instruction)はGAMEを行番号から開放したような言語、PROTと同じようなエディタを内蔵していたと思います。
  3. ED (CP/M)
    CP/Mを使うようになると付属のEDというラインエディタを使うようになりました。確か行編集すらカーソルを動かしてはできなかったと思います。入力済みの行を修正するときは、修正が多かったらその行を削除して入力し直し、小修正なら置換コマンドで処理といったことをしていたような記憶があります。それでもアセンブリ言語ならさほどの不便は感じませんでした。

    UNIXの「ed」とはまったくの別物です。

  4. EX

    CP/M-68kを使うようになり、アセンブリ言語からC言語を使うようになるとさすがにEDでは不便を感じます。何かの雑誌から入力して使うようになったCP/M-68k用のスクリーンエディタだったと思うのですが、詳細が思い出せません。プロセッサ誌のディスク・サービスでした。
    これもUNIXの「ex」とはまったくの別物です。

  5. NEDIT

    大学時代にNECの大型機で一時使っていたエディタです。それほど使い込んだわけではありませんが、珍しいと思うので入れておきます。
    PCやUNIXワークステーション系で似た感じのエディタを知りません。一画面に表示されている範囲は自由にカーソル持っていって修正できるけど、行挿入・行削除なんかはコマンド入力が必要でした。表示範囲の変更もそうですね。画面内の書き換えは端末ローカルの処理だけど、書き換えた内容の反映やコマンド処理はホストとの通信が発生して数秒待たされます。
    最後に使ってから四半世紀近いので詳しいことは憶えていません。

  6. Vzエディタ

    MS-DOSを使うようになって愛用したエディタです。が、使用期間は意外と短いですね。
    とにかく動作の高速なエディタでした。

  7. vi

    HP-UX, 386bsdなどのUNIX環境を使うようになって使うようになりましたが、主に設定ファイル等の編集用でソースコードの編集にはあまり使っていません。プログラミングには次のEmacs系を使うことが多いです。

  8. Emacs (と仲間たち)
    最初に使ったのはMS-DOSのDOS Extender上だったと思いますが、本格的に使うようになったのはHP-UX以降ですね。これは今でもメインのエディタとして現役です。
    いくつかの派生版も使いました。
    1. Nemacs (日本語Emacs)
      GNU Emacs 18をベースに日本語を使用可能にしたものです。
    2. Demacs
      上記NemacsをMS-DOS上で動作するようにしたもので、確かGo32というDOSエクステンダが使われていました。
    3. Mule
      GNU Emacs 19をベースに多言語対応したものになります。
      これは今でも一部のマシンに残っていて実行可能です。起動させてみたところベースはGNU Emacs 19.34、Muleのバージョンは2.3 (SUETSUMUHANA)でした。源氏物語由来のバージョン名が付いているのが面白いですね。
    4. Meadow
      GNU Emacs 20以降をベースにWindowsで動作するようにしたものです。
      以前職場で使っていましたが、家のマシンには入れていません。
  9. Think C

    1995~1996年頃は仕事でMacintoshのソフトウェア開発していましたが、そのころはThink Cの統合環境使っていました。

参考文献・関連図書: 
村田誠(1990)「CP/M-68K用スクリーン・エディタ [EX]」,『プロセッサ』1990年5月号,pp.105-110,技術評論社.

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