2017-12-11 22:29 — asano
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富士通沼津工場内にある池田記念室を見学してきました。
富士通の初期のコンピュータ開発の中心人物だった池田敏雄氏を記念する展示施設です。
事前予約が必要で若干敷居の高い施設ではありますが、歴史的な計算機の好きな人には見る価値はあると思います。
メインの展示、FACOM128B リレー式自動計算機です。
論理素子としてリレーを使った計算機です。リレーは電磁石によってスイッチを切替える素子ですが、電磁石に通電した時に切れるブレーク接点を使えばインバータになります。メーク接点を並列にすればORに、直列にすればANDになり、これらの組合せで論理回路が構成できるわけです。
展示されている個体は1959年に日本大学に設置されたもので、現在も動作する状態のものとしては世界最古級のものだそうです。見学時には実際に動作するところを見ることができます。動作時にはかなりの騒音を発生しますが、慣れた人は音で動作状況がわかったのだとか。
FACOM128B以外にもメモリや論理素子の歴史の展示もあります。
これは汎用機に使われていたLSIです。円盤を重ねたヒートシンクは子供の頃読んだ図鑑で見た記憶がありちょっと感慨深いものがありました。
BUSICOM 162でも入っていたコアメモリですね。これも時代とともに高密度になっていきます。これを手作業で組み立てていたのだそうですから驚きです。
これは16kbit DRAMを使ったメモリボードです。16k×1bitのMB8116Eが40個ですから80kBですが、おそらくパリティも含んでいるのでしょう。
スーパーコンピュータ「京」の展示もありました。
これは京のラックの構造を示すモックアップです。上下に12枚ずつシステムボードが入っており、中央部にはディスクや電源が入っています。システムボードから伸びている黒いケーブルのようなものは冷却水のホースです。
これら今回見学できたもの以外にも膨大な資料があり、社内研修用に使われているそうです。いつかそれらも一般公開されることを期待したいですね。
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