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ハーフサイズのフィルムカメラ


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オリンパス製のPen EESというハーフサイズのフィルムカメラが出てきました。

Pen EES
ハーフサイズというのはフィルムの1コマを2分割して撮影するカメラで、画角は通常たて長となり、36枚撮りのフィルムで72枚撮影できます。フィルムと現像が安くつくというメリットがありますが、プリントやスキャンは店によって対応していない場合がある等注意が必要です。

このカメラは小学生のころに父から貰ったものですが、フィルムや現像代が勿体無くてあまり使った記憶がありません。フィルム何本かは撮ったはずなのですが、たしかケチって白黒フィルムを使って現像時にはベタ焼きしてもらって、まともなコマのみ後からプリントしてもらうというスタイルでしたね。
ちなみに「ベタ焼き」というのはフィルムを原寸で細長い印画紙にプリントするもので、インデックスみたいなものです。

キャップを外したところ
この「Pen」シリーズは1960~1970年代に大ヒットしたシリーズで、最近デジタルカメラとして復活しました。
このEESは1962年発売、「EE」といって露出は自動、オートフォーカスはありません。

正面「OLYMPUS」ロゴの右の窓はファインダー用ですね。撮影用レンズとは位置が異なっているので距離によってファインダー像と実際の画角はズレが生じます。
レンズ周囲の(写真では100に合っている)ダイアルはASAダイアルで、装填してあるフィルムの感度を設定します。現在ISO感度と呼ばれるものは当時はASAと呼んでおり、数値はISOと同じです。ここにフィルム感度を設定することで適切な露出が得られるわけです。ASA10~ASA200まで対応しています。
ASAダイアルの内側にある小さいダイアルはピント合わせで、ゾーンフォーカスといって3点の切り替え式になっています。今は赤い人が3人のアイコンになっていますが、「人の上半身」=1.8m・「人が3人」=3m・「山」=20mの3つがあります。大雑把ですね。
2つのリングの間はセレン光電池らしく露出計になっています。
レンズ左下のコネクタはストロボの同期用です。

上から
上から見たところです。
左のツマミはフィルムを巻き戻すためのものです。撮影中もパトローネからフィルムが引き出されるときに回りますので、フィルムを巻き上げてもこれが回らないときはフィルム装填に失敗していることがわかります。
右端はフィルムの残枚数カウンタ、フィルム装填時に自分で設定しなくてはならなかったと思います。
その左上にあるのがシャッターボタンです。1枚撮影したらフィルムを巻き上げない限り押せません。

背面
背面、左上の小窓がファインダーです。
右側のダイアルはフィルムの巻き上げ用ですね。撮影しない限り巻けないようになっているので、巻き上げたかわからなくなったら回してみればOKです。

フィルムを交換するときはグレーの部分が右か左を支点にパカっと開くのかと思ったら...

底面
底面の左のボタンはフィルムを巻き戻すときに押すものです。通常はフィルムを巻くためにフィルムの穴に歯車が噛んでいますが、これを押すとそれがフリーになって巻き戻せるようになります。
中央の穴は三脚等を取り付けるためのもの、これは今のデジカメと一緒です。
右はフィルム交換のためにカバーを開けるためのツマミで、タブを起こして180°回すとカバーが開けられるようになります。多くのフィルムカメラはフィルムをパトローネから引き出しながら撮影して、撮影後はパトローネに巻き戻してから取り出すようになっています。巻き戻さずにカバーを開けると撮影済みの部分はパトローネから引き出されているので全部パーになってしまうので注意が必要ですね。中には装填時に引き出してしまい、撮影しながらパトローネに戻していくタイプもあり、これですとうっかり開けてしまっても撮影済みの部分は保護されます(最後のコマはまだ入りきっていないかもしれませんが)。

カバーを開けたところ
カバーのあけ方が思い出せなくて検索したらYouTubeに操作方法の動画がありました。それにしたがって開けたところがこれです。まさか底の部分ごと取れるとは思いませんでした。

左の空間がパトローネを納めるところです。上に連結の軸が見えていますね。
中央の四角い穴が露光するところ。この状態で明るいところに向けシャッターを切ってみたところ一瞬光が見えたのでフィルム入れたら動作するかもしれません。
銀色の軸はフィルムを送るためのもので、上下にフィルムの穴にかみ合う歯が見えます。
右側の灰色の軸がフィルムを巻き取る軸です。スリットがあるのでフィルムの先端をそこに差し込んで数回巻き上げることでフィルムをセットできます。

外したカバー
外したカバーの内側です。
左の銀色のバネはパトローネがガタつかないためのものでしょう。
中央の黒い四角の部分は露光時にフィルムが平らになるよう押し付けるもので、軽いバネがついています。表面の模様はフィルムが張り付かないための加工でしょうか。

ソフトケースに入れたところ
最後はソフトケースに入れたところです。
シャッタボタンやレンズの位置がわかりますね。ストラップは穴から出すようになっています。

目立って異常なところは無いので、一度撮影してみたいと思っています。自動露出が怪しいのですが最悪でも手動にできそうなので、実用性はともかく何かしら撮影はできるんじゃないでしょうか。

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